「オフィスで電話を取ったら、海外の取引先だった!でも、すぐに英語が出てこなくて慌ててしまった!」
「英語で電話を繋ぎたいけど、何と言ったらいいかわからない」
そんな経験はありませんか?
普段から英語の学習をしているつもりでも、いざ英語の電話対応をしようとしてもとっさには言葉が出てこないものです。
ですが、英語の電話対応は、実際のところ英語がペラペラしゃべれるまででなくても、いくつかの定番フレーズさえ覚えてしまえば簡単に出来てしまいます。
高度なディスカッション能力やハイレベルな英会話力などはあまり必要ありません。
そこで、これだけ押さえておけばどうにかなる電話対応の具体的な定番フレーズ・一連の流れを詳しく解説していきます。
1.これだけでどうにかなる!電話対応の基本的な3つの流れ
英語の電話対応の基本的な流れは以下の3つです。
- 名前を名乗る
- 要件を聞く
- 電話を繋ぐ OR 電話を切る
Step1:自分の会社名・名前を名乗る
- Thank you for calling <Eipedia Corporation>. <Risa Yamamoto> speaking.
(お電話ありがとうございます。株式会社エイペディアの山本リサです。) - Good morning(/Good afternoon/Good evening), <Eipedia Corporation>, this is <Risa Yamamoto>. How may I help you?
(おはようございます(こんにちは/こんばんは)。株式会社エイペディアの山本リサです。ご用件を承ります。)
まず、電話がかかってきたら、自分の会社名と名前を名乗ります。
基本的に上記の2つのフレーズのいずれかを使えばOKです。
<>の部分はあなたが所属している会社・組織名、あなたの名前に置き換えて使ってみてください。
2つ目のフレーズの「Good morning/Good afternoon/Good evening」は、電話がかかってきたのが朝なのか昼なのか夜なのか、時間帯によって変わってきます。
それぞれの時間帯の目安は以下を参考にしてください。
Good morning/Good afternoon/Good eveningの使い分け時間帯の目安
- Good morning:日の出~12時
- Good afternoon:12時~日没
- Good evening:日没後~
※参考:https://eikaiwa.weblio.jp/column/phrases/natural_english/parts-of-the-day#morning
Step2:要件を聞く(担当につなぐ/伝言を受ける)
Step1で自分の会社名、名前を名乗ると、次に相手が会社名(組織名)・名前を名乗り、電話の要件を伝えてくれるはずです。
そしたら、
- A.(要件の担当者がいる場合)→担当者に電話を替わる
- B.(要件の担当者が不在の場合)→担当者が不在であることを伝える(+伝言を受ける・折り返し電話をする旨を伝える)
という対応をします。
もし相手の会社名・名前や要件がはっきり聞き取れない場合は、2.「もしもこんな場合は…」電話対応の応用フレーズまとめのフレーズを使ってもう一度言ってもらうなどの対応をすれば大丈夫です。
A.担当につなぐ(担当者が居る場合)
電話の要件の担当者(担当部署)が対応できる場合は、以下の3つのフレーズのいずれかを使って担当者に代わりましょう。
- One moment ,please. I will transfer you to the correct department.
(少々お待ちください。当該部署におつなぎします。) - Just a moment ,please. I will put you through to the person in charge.
(少々お待ちください。担当の者におつなぎします。) - Hold on ,please. I will connect you to <Ms.Morita>.
(少々お待ちください。<森田>におつなぎします。)
「One moment ,please.」「Just a moment ,please.」「Hold on ,please.」(少々お待ちください)
だけでも通じなくはありませんが、上記3フレーズのように付け加えて言うと、より丁寧で印象が良いです。
また、「○○さんはいらっしゃいますか?」というように、担当者の指定があった場合は3つ目の文のように担当者名を述べると、名前の聞き間違いなどが防げるのでより良いでしょう。
担当者や他の部署に電話を繋いだら、これで電話対応は完了です。
B.伝言・折り返しの対応をする(担当者がいない場合)
相手が指名する担当者が社内にいない場合や、何らかの理由で電話に出られない場合は、伝言を受ける・折り返し連絡するか伺うなどの対応をします。
具体的には、
- 担当者が不在であることを伝える
- 伝言/折り返しを伺う
の順で言います。
①担当者が不在であることを伝える
まず、担当者が電話に出られない状況であることを伝えます。
状況に合わせて以下の5つのフレーズを使い分けると良いです。
- I'm afraid <Ms.Morita/the person in charge> is not available at the moment.
(申し訳ございません。<森田/担当者>はただいま不在です。) - I'm afraid <Ms.Morita/the person in charge> is on the other line.
(申し訳ございません。<森田/担当者>は電話中です。) - I'm afraid <Ms.Morita/the person in charge> is in a meeting right now.
(申し訳ございません。<森田/担当者>はただいま会議中です。) - I'm afraid <Ms.Morita/the person in charge> is out at the moment.
(申し訳ございません。<森田/担当者>は外出中です。) - I'm afraid <Ms.Morita/the person in charge> is away from her desk.
(申し訳ございません。<森田/担当者>はただいま席を外しております。)
②折り返し/伝言をするか伺う
①で担当者が不在であることを伝えた後、折り返し電話をするように相手に伺う、あるいは伝言を残すか伺います。
もし、伝言を正確に聞き取るのに自信がないという場合は、折り返しを伺うのが無難です。
- Should I have (him/her) call you back?
(こちらから折り返しお電話いたしましょうか?) - Would you like to leave a message?
(ご伝言を伺いましょうか?) - May I take a message?
(ご伝言承りましょうか?)
※実際は①と②を繋げて言います。
- 例)I'm afraid <Ms.Morita/the person in charge> is out at the moment.
Would you like to leave a message?- (申し訳ございません。<森田/担当者>は外出中です。ご伝言を伺いましょうか?)
Step3:電話を切る
いよいよラストスパートです。
Step2:要件を聞く(担当につなぐ/伝言を受ける)にて、担当者や他の部署に電話を代った場合は電話を切る必要はありませんが、担当者が不在で伝言を受けたり折り返しの対応をした場合は自分で電話を切ることになります。
電話を切るときにも定番フレーズが存在するので、それをそのまま使ってしまって大丈夫です。
他に要件はないか確認する(伝言を受けた場合)
伝言を受けた場合、電話を切る前にまずその他に伝言はないかを尋ねます。
- Is there anything (else) I can help with?
(他にご用件はございますか?)
電話を切る
伝言を受けていない場合や、伝言がもうないことを確認した場合は、以下のフレーズで電話を切ります。
- Thank you for calling. Goodbye.
(お電話ありがとうございました。失礼いたします。)
2.「もしもこんな場合は…」電話対応の応用フレーズまとめ
基本的には1.これだけでどうにかなる!電話対応の基本的な3つの流れで紹介した定番パターンのフレーズでどうにかなりますが、それ以外にも電話対応で使える便利なフレーズをご紹介します。
繰り返し言ってほしい場合
- Excuse me. Do you mind saying that again, please?
(すみません。もう一度言っていただけますでしょうか?)
電話の要件や伝言の内容をはっきり聞き取れなかった場合は、このフレーズでもう一度言ってもらうようにするといいでしょう。
もっとゆっくり言ってほしい場合
- Excuse me. Do you mind speaking more slowly ,please?
(すみません。もっとゆっくり話してもらえますでしょうか?)
電話の相手によっては容赦なくバリバリのネイティブスピードで話してくることもあります。
そんなときにはこのフレーズを使ってもっとゆっくり話してもらうといいでしょう。
相手の名前を聞く
- May I have your name (and company’s name), please?
(お名前(と会社名)を伺ってもよろしいでしょうか?) - Could you spell your name(/your company’s name), please?
(お名前(会社名)の綴りを教えていただけますでしょうか?)
相手の会社名や名前などの固有名詞は特に聞き取りにくいことが多いので、そのような場合に上記のフレーズが非常に便利です。
また、伝言を受けた場合や折り返し連絡をするように対応した場合などににメモを残す際にはスペル(綴り)も正確に聞いておくといいです。
電話番号を聞く
- May I have your phone number, please?
(ご連絡先をお知らせいただけますか?)
最近の電話には着信履歴が残るものが多いと思いますが、念のため電話番号を尋ねておきたい場合は上記のフレーズを使いましょう。
間違い電話を受けた時の英語フレーズ
滅多にないとは思いますが、もしも間違い電話がかかってきたという場合には、以下のフレーズで対応します。
- I’m afraid you’ve got the wrong number.
(恐れ入りますが電話番号をお間違えではないでしょうか) - I’m sorry. There is nobody by that name.
(すみませんが、そのような名前の者はおりません)
もし、どう頑張っても、どうしても、全く聞き取れなかったときの対処法(最後の手段)
万が一、「繰り返し言ってもらっても全くわからない」、「ゆっくり言ってもらっても聞き取れない」「自分の英語力をフルに使って頭をフル回転させても、どう頑張っても、何を言ってるのかわからん。」という場合もあるかもしれません。
そのような場合は、最後の手段として、
- 自力で対応するのを諦める→相手に少し待ってもらう→英語を話せる社員/担当者に電話を代ってもらう
という手段をとりましょう。
英語学習の視点からすると自分の英語力だけで対応するのが理想ですが、実際のビジネスの現場ではそこでもたもたしていては相手に迷惑がかかります。
なので、「これは自分の英語力では歯が立たない」とわかったら、潔く英語が流暢に話せる社員や海外担当部署に電話を代るのが無難です。
具体的には以下のフレーズを使って、電話の相手に待ってもらった後に電話を代ってもらいます。
- One moment please.
(少々お待ちください) - Just a moment.
(少々お待ちください) - I'll just put you on hold for a moment.
(少々の間電話を保留させていただきます。)
「I don't know 」は禁句。電話対応で使わないほうが良い「要注意フレーズ」
ビジネスの電話対応の場では当然ながらフォーマルな英語を使うことが求められます。
なので、海外英語ドラマや映画などで頻繁に使われるようなスラングなどは基本的にNGです。
ですが、「電話対応をあまりしたことがない」「ビジネス英語を普段使ったことがない」という場合は、何がフォーマルな英語で何がNGワードなのかよくわからないかと思いますので、つい使ってしまいがちなビジネスの場ではNGなワードを簡単にまとめておきます。
つい使ってしまいそうになりがちなビジネス電話対応でNGなワード一覧
- ×:I don't know(知らん)
- ×:OK(オーケー)
- ×:No problem(問題ないよ)
- ×:uh huh(うん)
- ×:um(うーん/えーと)
- ×:like(※スラングの"like")
- ×:you know(~じゃん/~なのね)
これらのワードは電話対応などのビジネスの場においては使用しないのが理想です。
なかでも特に「I don't know」「No problem」は無意識のうちに使ってしまわないように注意しましょう。
(「I don't know」は代わりに「I’m not sure」を使いましょう)
英語の電話対応のフローチャート(ダウンロード可)
最後に電話対応の基本の流れのフローチャートを載せておきます。