- 「"My pleasure"ってどういう意味?」
- 「肯定する意味?それとも否定する意味?」
- 「どうしてそういう意味になるの?」
- 「"You're welcome"とは何が違うの?」
- 「どう使い分けたらいいの?」
と疑問に思っていませんか?
たしかに、"My pleasure"をそのまま直訳すると、「私の喜び」となり、パッと見意味がわからないですよね?
そこで、この記事を読むことで、
という疑問がスッキリ解決します。
1."My pleasure"は相手に感謝されたときに使う
まず、"My pleasure"はどんなときに使われるフレーズかというと、
- 相手に感謝されたときの返答
として使います。
日本語訳では「どういたしまして」と訳されることが多く、"You're welcome."と同じような使い方をするというとわかりやすいでしょう。(厳密には"You're welcome."とはニュアンスが異なりますがそれについては後ほど3.”You’re welcome.”との違いにて詳しく解説します。)
日本の中学校の英語の授業などでは「"Thank you"と言われたら"You're welcome"」としか教わらないので、日本人にはあまり馴染がないかもしれませんが、ネイティブの間ではガンガン使われまくる超定番な"Thank you返答フレーズ"です。
- Chuck:Thank you very much for your kindness.
(ご親切にありがとう。) - Wilson:My pleasure.
(どういたしまして。)
2.どうしてそうなるの?
ここで、なぜ、"My pleasure"が「どういたしまして」のような相手の感謝に対する返事となるのか、疑問に思いませんか?
たしかに、"pleasure"は「楽しみ」「喜び」「満足」というような意味を持つ名詞なので、そのまま直訳すると、
- "My pleasure"→「私の喜び」
となり、このままだと、
- A:ありがとう。
- B:私の喜び。
という意味不明な"異星人の会話"となってしまいますよね?
ですが、以下のように理解するとスッキリわかります。
"My pleasure"はもともと、
- "It's my pleasure"
が原型となっています。
すなわち、
- "My pleasure."→"It's my pleasure."→「それは私の喜びです<直訳>」→「(感謝された内容は)私が喜んでやったことです。(だから全然気にしないで)」
というニュアンスとなり、相手に"Thank you"と言われたときに「自分がやりたくてやったことだから気にしないでよ」的なニュアンス(意味)で使われるというわけです。
(これで"地球人の会話"として成り立ちます。)
3."You're welcome."との違い
ここで、あなたはおそらく、
- 「"My pleasure."は「どういたしまして」と言いたいときに使えるということはわかった。でも、"You're welcome."とは何か違うところがあるの?」
と疑問に思っているはずです。
結論から言うと、そもそも"My pleasure."と"You're welcome."はどちらも意味が異なるフレーズです。
どういうことかというと、「どういたしまして」という訳は、ただの日本語的な"意訳"ではなく、本来の"英語の意味"としてはそれぞれ全くニュアンスが異なります。
すなわち、ネイティブにとっては全く異なる言葉(=意味・ニュアンス)ということです。
その具体的なそれぞれのニュアンス(=本来の"英語としての意味")違いは以下の通りです。
- "My pleasure."→「それは私の喜びです<直訳>」→「(感謝された内容は)私が喜んでやったことです。(だから全然気にしないで)」
- "You're welcome."→「あなたは歓迎されています<直訳>」→「あなたを助けることは(私にとって)大歓迎ですよ。(だから全然気にしないで)」
となります。
どちらも相手に「ありがとう」と言われて時に使いますが、実はこのような違いが存在するというわけです。
4.It's my pleasureでさらに丁寧に。
2.どうしてそうなるの?でも解説したように、"My pleasure."はもともと、
- "It’s my pleasure."
が元となっています。("it's"を省略されたもの。)
なので、
- "My pleasure."
よりも、当然、
- "It’s my pleasure."
と言った方が、丁寧なニュアンスとなります。
("all"を加えて"It's all my pleasure."と言うこともできます。)
さらに、過去形にして、
- "It was my pleasure."
とすることでさらに丁寧な表現となります。
(なぜ過去形にすることで丁寧なニュアンスが加わるのかというのは、スッキリわかる!"Could you~?"と"Would you~?"の意味の違いにてわかりやすく解説しています。)
- Chuck:Thank you for giving me a ride to the station.
(駅まで送ってくれてありがとう。) - Wilson:It was my pleasure.
(喜んでもらえて嬉しいです。)
5.その他の英語の「どういたしまして」系フレーズと使い分け
ここまでの、"My pleasure.","You're welcome."以外にも、相手に「ありがとう(Thank you)」と感謝されたときに使うことができる英語の定番フレーズがたくさん存在します。
- That’s OK.(いいですよ。)
- That’s alright.(いいですよ。)
- Sure.(もちろん。)
- Anytime.(いつでもどうぞ。)
- You bet.(どういたしまして。)
- Don't mention it.(礼なんていりませんよ。)
- Just returning the favor.(お返しをしただけですよ。)
- You deserve it.(当然のことですよ。)
- Don't worry about it.(気にしなくていいですよ。)
- No worries.(気にしなくていいですよ。)
- No problem.(問題ないですよ。)
- It’s nothing.(どうってことないですよ。)
- Not at all.(全然どうってことないですよ。)
That’s OK./That’s alright.
- That’s OK.
- That’s alright.
日本語でも、「ありがとう」と言われたときに、「全然いいよ。」と言うことがありますよね?
それと似たような感覚で、「相手が感謝された行動(that)は自分にとっては全然問題ない(負担がない)から気にしないでね(OKだよ)」というニュアンスです。
Sure.
- Sure.
"Sure."(いいですよ。)は相手に感謝されたとき以外にも、「~していい?」「~してくれる?」などと質問されたときの返答にも使うことができる英語の超定番万能フレーズです。
Anytime.
- Anytime.
文字通り、
- "Anytime."→「いつでも。<直訳>」→「またいつでもどうぞ。(またいつでも私に頼ってください。)」
というニュアンスの返答です。
You bet.
- You bet.
これは、パッと見、ピンとこないかもしれませんが、一つずつ理解するとわかります。
まず、"bet"というのは、たとえば「カジノで大金を賭ける。」などのような、「(何かに)賭ける。」という意味をもつ動詞です。
そして、"You bet."は厳密には、
- You can bet money on that.
(あなたはそれにお金を賭けることができる)
を省略したものです。
それらから考えると、
- "You bet."→"You can bet money on that."→「あなたはそれにお金をかけることができる。<直訳>」→「あなたはそれ(自分が相手を手助けすること)に賭けてもいいくらいお安い御用ですよ」→「ぜんぜん気にしないで。(お安い御用さ)」
という形で使われることが理解できます。
また、似たような表現に、
- I can bet money on that.(私はそれにお金を賭けることができる。)
を省略した、
- I bet.(だろうね。)(そうに違いない。)(その通りさ。)
("I bet."→「(それにお金を賭けることができるくらい)確信している。」ということです。)
という表現が存在しますが、"You bet."とは全く違う意味となるので混同しないように注意しましょう。
Don't mention it.
- Don't mention it.
これも知らないとパッと見、なぜ「ありがとう(Thank you)」の返事に使うのかピンとこないと思います。
まず、"mention"は「述べる」「言及する」という意味を持つ動詞です。
これを踏まえたうえで、変形すると、
- "Don't mention it."→「それ(it)を述べないでください。<直訳>」→「お礼を言わなくてもいいですよ。」→「礼を言われるほどのことでもないですよ。」
となります。
日本語の「いえいえ、大したことではないですよ」というのと若干ニュアンスが似ています。
Just returning the favor.
- Just returning the favor.
これは直訳とほぼ同じ意味、ニュアンスで使われます。
- "Just returning the favor."→「あなたの親切な行為("the favor")にお返しをしただけ("Just returning")ですよ。」
一つ注意しておきたいのは、「あなたにお返しをしただけ」というセリフなので、
- 実際に相手に何か恩がある場合(過去に何かしてもらったなど)
に使うという点です。
なので、たとえば初対面の人にいきなり使うと不自然になってしまいます。
そこだけは押さえておきましょう。
You deserve it.
- You deserve it.
これも一見すると、なぜ「ありがとう(Thank you)」の返答となるのかピンとこないでしょう。
まず、"deserve"は「~に値する」「~の価値がある」という意味を持つ動詞です。
これをそのまま直訳すると、
- 「あなた(You)はそれ(it)に値する(deserve)<直訳>」
となり、「ありがとう(Thank you)」の返事としては意味不明です。
ですが、以下のように変形してみるとわかります。
- "You deserve it."→「あなたはそれに値する<直訳>」→「あなたはそうされることに値するからわざわざ"thank you"なんて言わなくていいのよ」
これは日本語には似たような表現が存在しない英語独特な表現なのですぐにピンと来ないかもしれません。
なのでわかりやすく例を挙げると、
- 受賞者が賞を受け取って「ありがとう」と言ったときに、「あなたは賞を受け取るのに相応しいからわざわざ"thank you"なんて言わなくてもいいのですよ」
というようなシチュエーション(およびニュアンス)などで使います。
Don't worry about it./No worries.
- Don't worry about it.
- No worries.
"worry"(「心配する」という意味を持つ動詞。)を使った返答の仕方です。
これはそのまま、
- "Don't worry about it./No worries."→「それ(it)について心配(worry)しないでください。<直訳>」→「私の手助けのことは気にしなくていいよ。(だから「ありがとう」なんて言わなくても大丈夫だよ)」
というニュアンスで使われます。
日本語でも相手に「ありがとうございます。」と感謝されたときに「いやいや、全然、気にしなくていいよ~」と言うことがありますよね?
それと似たような感覚です。
No problem.
- No problem.
あなたもご存じのようにそのまま訳すと「問題ないです。」となりますが、このように、相手に"Thank you"と感謝されたときに「全然問題ないから「ありがとう」なんて言わなくても大丈夫ですよ。」というニュアンスで使われることもあります。
It’s nothing./Not at all.
- It’s nothing.
- Not at all.
"nothing","not"などのnot系を使った返答の仕方です。
相手に感謝された内容に関して「いえいえ、そんなの"nothing"ですよ。(大したことじゃないですよ/どうってことないですよ)」「全く「ありがとう」なんて言われるようなことじゃないですよ」というようなニュアンスです。
日本語でも「ありがとうございます。」と言われたときに「いえいえ、ぜんぜん。」なんていう返し方をすることがありますよね?
それに近い感覚です。