- 「"Can you~?"をネイティブの前で使うのは失礼?」
- 「"~できますか?"は"Can you~?"を使わない方がいいの?」
- 「依頼をするときの"Can you~?"はどれくらい丁寧な表現なの?」
という疑問はありませんか?
あなたが英語で相手に「~できますか?」と聞きたいときに、真っ先に頭に思い浮かぶワードは、おそらく「Can you~?」だと思います。
ですが、「~できますか?」という日本語からそのまま安直に「Can you~?」と言うと、ネイティブをイラっとさせてしまうかもしれません。
しかし、ご安心ください。
この記事を読むことで、
- 「Can you~?」を使うとネイティブにブチギレられる可能性がある?
- 「Can you~?」の代わりに何って言えばいい?
- 「~してもいいですか?」の「Can you~?」はネイティブにとってはどのくらい丁寧に聞こえるの?
という疑問がスッキリ解決します。
1.「Can you~?」はどんな時に使える?
まず「Can you~?」という表現は基本的にどんなときにどのように使うことができるのかというと、
- 「~できますか?」という能力を問う質問
- 「~してくれますか?」という依頼をするフレーズ
の2つです。
①は、能力的に、物理的にそれができるかを相手に聞くときの使い方です。
実際にやるかどうかは別として、技術的にできるか、知識的にやり方を知っているかを聞くという感覚です。
一方で、②は相手に何かをしてもらいたいときに「~してくれる?」と依頼するときの使い方です。
~能力を問う使い方の例~
- Can you run 100 meters within thirteen seconds?
(100メートルを13秒以内に走ることはできますか?)
~依頼をする使い方の例~
- Can you pass me the salt?
(塩を取ってもらえますか?)
2.「Can you~?」を使うとネイティブにブチギレられる?
先ほど説明した、
- ①「~できますか?」という能力を問う質問
として「Can you~?」を使う場合には、場合によっては相手に失礼な表現となる可能性があるので注意が必要です。
「~できますか?」を「Can you~?」で聞くと失礼となる場合がある
日本語で訳すと「~できますか?」と言うセリフ(内容)をそのまま、
- 「~できますか?」→「Can you~?」
と何も考えずに丸々英語訳してしまうと、ネイティブスピーカーをブチ切れさせてしまう可能性があります。
実際にネイティブに"ブチ切れられる"可能性がある「Can you~?」の使い方は、たとえば、以下の文です。
- × Can you speak Japanease?(直訳:日本語を話すことはできますか?)
- × Can you use chopsticks?(直訳:箸を使うことはできますか?)
- 「えっ、直訳的には間違ってないけど、どこがいけないの?」
- 「これでいいんじゃないの?」
と思うかもしれません。
確かに、「(あなたは)英語を話すことはできますか?」「(あなたは)箸を使うことはできますか?」という日本語をそのまま英語にすると、「Can you speak Japanease?」「Can you use chopsticks?」となります。
上記の例ようなシチュエーションでは、内容的に、
- "私はあなたと日本語でお話ししたいけどあなたは日本語を話しますか?"
- "箸を使ってお食事なさいますか?"
ということを聞きたいはずです。
ですが、日本人じゃない英語ネイティブに対して上記のNG「Can you~?」フレーズを使うと、ニュアンス的に、
- 「(君は外国人だけど、)日本語を話せる言語能力はあるかい?」
- 「(日本人はみんな当たり前のように使えるけど、君は能力的に)箸を使えるかな?」
というように、やや圧が強い言い方・小馬鹿にした言い方に感じ取られてしまう可能性があります。
「~を食べますか?」「お酒を飲みますか?」も「Can you~?」はNG
また、「Can you~?」を使うと、相手に失礼にはなりませんが、意味がズレてしまう例もあります。
たとえば、以下の文です。
- × Can you drink alcohol?(直訳:お酒を飲むことはできますか?)
- × Can you eat tempura?(直訳:天ぷらを食べることはできますか?)
相手と食事をしたいときに、「お酒を飲めますか?」「~を食べられますか?」と聞くことがあると思います。
これも、確かに、日本語からそのまま英語に直訳すると「Can you drink alcohol?」「Can you eat tempura?」となります。
おそらく、このような質問をするシチュエーションでは、
- あなたとお酒を飲みたいけど、あなたは普段からお酒を飲みますか?
- 天ぷら料理を食べに行きたいけど(or天ぷら料理をあなたに振る舞おうと思うけど)、天ぷらは苦手じゃないですか?
ということを聞きたいはずですよね?
ですが、上記のような「Can you~?」を使った言い方だと、
- 「"能力的に、体質的に"お酒(アルコール類)を飲むことはできますか?」
- 「"アレルギーなどはなく、能力的に"食べられますか?」
というように、物理的に食べる能力、体質的に食べられるか、ということを質問するニュアンスになってしまいます。
当然、体質的にアルコールに特別弱いわけではないけど普段からお酒を飲まない人もいますし、アレルギーではないけど好きじゃない食べ物くらいは誰にでもあるはずです。
ですが、「Can you~?」を使うと上記のように意味がズレてしまいます。
では、どのような表現を使ったらいいのでしょうか。
「Do you~?」を使うのがおすすめ
では、ここまで説明したような、「Can you~?」を使うとNGなシチュエーションの場合は、どのように表現したらよいのでしょうか?
おすすめなのは、
- 「Do you~?」を使う
ことです。
おそらく中学の英語の授業などでは、「Do you~?」=「~しますか」という単純な日本語訳でしか習ったことしかないと思います。
ですが、この「Do you~?」というワードは厳密には、
- 普段から習慣的にすること
を質問するときに使います。
ここで、先ほどのNGフレーズを以下のように「Do you~?」に変換すると、
- Do you speak Japanease?
→「普段から日本語を話しますか?」→「日本語は話せますか?」 - Do you use chopsticks?
→「普段から箸を使いますか?」→「箸を使えますか?」 - Do you drink alcohol?
→「普段からお酒を飲みますか?」→「お酒は飲めますか?」 - Do you eat tempura?
→「普段から天ぷらを食べますか?」→「天ぷらは食べられますか?」
というように、結果的には日本語の「~できますか」と同じ意味内容を「普段から~しますか?」という柔らかいニュアンスで言うことができます。
3.「Can you~?」というお願いの仕方はあまり丁寧な表現ではない?
続いては、②「~してくれますか?」という依頼をするフレーズとしての使い方についてです。
「Can you~?」=「~してくれますか?」と簡単に訳されてしまいますが、どれくらい丁寧な表現なのか疑問に思ったことはありませんか?
おそらく、
- 「命令形よりも丁寧だっていうのはわかるけど…」
- 「敬語くらい丁寧な表現なのかな」
などと思っているのではないでしょうか。
ですが、実際の英語ネイティブの感覚では、
- 「Can you~?」は友人や仲のいい仕事の同僚など間でタメ口で「~してくれる?」くらいのレベルの丁寧さ
です。
これは「Will you~?」も同様です。
英語教材の日本語訳などでは「Can you~?」= 「~してくれますか?」と訳されていることが、多いので、日本の英語学習者の多くは、
- 「Can you~?」は敬語で「~してくれますか?」くらいの丁寧さなのかな
と思いこんでしまいがちですが、実際はそこまで丁寧な表現ではありません。
それを知らないで仕事で目上の人などに「Can you~?」を使ってしまうと危険です。
では、より丁寧に「~してくれませんか?」という依頼の質問をするにはどうしたらいいのでしょうか。
もっと丁寧な表現は?
「Can you~?」よりも丁寧に相手に許可を求めるときに便利なフレーズは、
- 「Could you~?」「Would you~?」
- 「I wonder if~」「I was wondering if~」
です。
①「Could you~?」「Would you~?」は、「Can you~?」「Will you~?」の"Can"と"Will"を過去形にすることで、仮定法のニュアンスが加わり、丁寧な表現となります。
丁寧さのレベルは、
- 初対面の人や、赤の他人にも使える「~してくれますか?」くらいの"ですます調"くらいの丁寧さ
です。
「Could you~?」「Would you~?」の違いと使い分け方についてはスッキリわかる!"Could you~?"と"Would you~?"の意味の違いにて詳しく解説しています。
②「I wonder if~」「I was wondering if~」は「Could you~?」「Would you~?」よりもさらに丁寧な表現です。
直訳すると、「~してくれないかなと不思議に思う」となりますが、間接的に「~してくれないかなぁ」=「~してください」という遠回しの依頼のフレーズとなります。
英語で物事を頼むときの"お願いフレーズ"としては最上級に丁寧な表現です。
なぜそこまで丁寧な表現になるのかというと、
- 遠回しの表現
- 疑問形にしないことで相手の返答の負担が減る
からです。
丁寧さの感覚としては、
- 目上の人にも使える「~していただけませんか?」くらいの丁寧な敬語レベル
です。
また、ビジネスの場面おいて上司や、社外ビジネスメールなどでも使うことができます。
- Could you lend me a pen?
(ペンを貸してもらえますか?) - Could you ask her to call me back?
(彼女に電話を折り返すように言ってもらえますか?) - I wonder if I can take a paid leave next month.
(来月に有給休暇を取らせていただきたいのですが。) - I was wondering if you could check my report by noon.
(今日の正午までに報告書の内容を確認して頂きたいのですが。)
これらの英語で物事を頼むときの"お願いフレーズ"の、細かいニュアンスや使い方、その他のお願いフレーズに関してはネイティブも唸る。「頼む」ときに使える英語フレーズ5選【丁寧レベル別】にて詳しく解説しています。
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ネイティブも唸る。「頼む」ときに使える英語フレーズ5選【丁寧レベル別】
「ビジネスメールで英語で頼み事ををしたい」 「ネイティブの友人にフレンドリーに頼み事をしたい」 「英語で「~を頼む」って何ていうの?」 英語で「何かをお願いするとき、頼むとき」に使うフレーズには、さま ...
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