「ネイティブに突然Do you have the time?って聞かれたけどういう意味?」
「"the"がない"Do you have time?"とは意味がどう違うの?」
「Do you have the time?」を直訳すると「"the time"を"have"していますか?」となりますが、それだけだと正直意味がわかりませんよね?
また、似たような表現に"the"が付いていない「Do you have time?」というものがありますが、全く意味が異なります。
これらを日本語訳の丸暗記で覚えるとどっちがどっちの意味なのか混乱しがちです。
ですが、丸暗記に頼らずに一つ一つ分解して"なぜそうなるのか"を理解すると、絶対に忘れることはありません。
そこで、
について詳しく解説していきます。
1.「Do you have the time?」の意味は?絶対に忘れない覚え方
今の時刻を尋ねる「Do you have the time?」
「Do you have the time?」は、
- 今の時刻を尋ねる
フレーズです。
日本語で言うと「いま何時ですか?」となります。
実際に初対面の相手などに使うときは、いきなり「Do you have the time?」とは言わずに、前に「Excuse me,but」を付けると丁寧で印象が良いです。
A:Excuse me, but do you have the time?
(すみません、いま何時かわかりますか?)
B:Sure. It's quarter after three.
(ええ。3時15分ですわ。)
"the"が無い「Do you have time?」は全く違う意味になるので注意。
ここで英語を学習している全日本人がつまずきやすいポイントがあります。
それは、「Do you have the time?」から"the"を抜いた、
- Do you have time?(お時間ありますか?)
と混乱するということです。
もしも、見知らぬ人に現在時刻を聞くつもりで間違えて「Do you have the time?(いま時間あるかい?)」と聞いてしまうと、ただのナンパになってしまいます。
ただ、これらをそのまま日本語訳で丸暗記しようとすると、最初はしっかり区別して覚えたつもりでも、時間が経って久しぶりに見ると、
「あれ、どっちが"いま何時?"でどっちが"お時間あります?"だっけ?」
と混乱してしまいがちです。
なぜ"the time"で「いま何時?」になる?
ですが、ご安心ください。
なぜ"time"から"the time"になると現時刻を尋ねる意味となるのかをしっかり理解しておけば、忘れることはありません。
まず、一つ一つ分解してみましょう。
「Do you have the time?」を直訳すると、
- 「"the time"をhaveしていますか?」
となります。
ここで、"the time"は何を示すのでしょうか。
"the"は共通に認識できるものを表す
"the time"が表す意味を分析してみます。
まず、英語では名詞に"the"が付くことで「自分と相手とで共通に認識できるもの」を表します。
たとえば、
窓がある部屋の中に2人でいたときに、
- "Open the window" (窓を開けてくれ)
と言ったとします。
このときの"the window"は、
- その2人が共通に認識している窓=2人が居る部屋の窓
を表します。
しかし、仮に"Open a window" とするとどうなるでしょうか。
- "a window"=(特定でない何らかの)ある一つの窓
という意味となり、
「世界中のありとあらゆる窓のどの窓でもいいからある一つの窓を開けてくれ」
という意味となってしまいます。
すなわち、"the time"は、
- 共通に認識できるtime→現時刻
となります。
というわけで、
- 「Do you have the time?」→「"the time"をhaveしていますか?」→「現時刻がわかりますか?(いま何時?)」
となります。
このように原理を理解しておくと、「Do you have the time?」と「Do you have time?」のどっちがどっちなのか混乱することはないでしょう。
2.「Do you have the time?」と聞かれたらどう答える?
続いては、「Do you have the time?」と聞かれたときの返答の仕方について解説いたします。
返答の流れは、
- 一言クッションを置く
- 時刻を答える
の2ステップで答えるとスムーズに答えることができます。
①一言目のクッションを置く
「Do you have the time?」は疑問形なので、具体的な時刻を答える前に、まず"時刻を答えてもいいよ"ということを示す必要があります。
それには以下のフレーズが使えます。
"時刻を答えてもいいよ"の一言クッションフレーズ
- Sure.(もちろん。)
- Absolutely.(もちろんいいわ。)
- No problem.(ええいいわ。)
- Well,(ええと、)
- Let me see.(ええと、)
②時刻を答える
一言クッションフレーズの後は具体的な時刻を伝えます。
時刻は、
- It's <時刻>.
という形で表します。
時刻の英語での表し方はいろいろありますが、以下に一通りまとめておきました。
英語の時刻表現パターン一覧
- 「〇時ちょうど」
→"three o’clock","three o’clock pm","three in the afternoon" - 数字で答える「〇時〇分」
→"three forty-five"(3時45分), "seven eleven"(7時11分) - "after","before"で答える「〇時〇分」
→"quarter before four"(3時45分), "eleven after seven"(7時11分) - "past","to"で答える「〇時〇分」
→"quarter to four"(3時45分), "eleven past seven"(7時11分)
"after","before"/"past","to"を使った表現は、慣れるまでは難しく感じると思います。
なので、最初のうちは"数字で答える「〇時〇分」"を使った方がいいでしょう。(その方が確実です。)
時間がわからないときは?
あまりないとは思いますが、もし「腕時計を忘れてしかもスマホの充電も切れていて時間がわからん」というときは、腹時計でテキトーな時間を言うようなことはせずに、正直に「すみません、わかりません」と言うのが無難です。
ただし、ここで注意したいのは、
- 「I don't know」は初対面の相手には使わない方がいい。
ということです。
私たちは、中学英語からずっと「わからない」=「I don't know」と習い続けているので、つい反射的に「I don't know」と答えてしまいがちです。
しかし、英語ネイティブにとっては「I don't know」はややフランクで投げやりな言い方に聞こえてしまいます。(「知るか」といったような素っ気ないニュアンスに聞こえます。)
なので、正確な時刻がわからないときは(特に初対面の相手には)「I don't know」ではなく、
- 「I'm not sure」
を使うことをおすすめします。
A:Excuse me, but do you have the time?
(すみません、いま何時かわかりますか?)
B:Oh,I'm sorry, I'm not sure. I left my watch at home.
(あっ、ごめんなさい、わかりません。時計を家に忘れてきちゃって。)
3.「Do you have the time?」以外の「いま何時?」フレーズ一覧
「Do you have the time?」以外にも、もっと丁寧な時間の聞き方や、もっとフランクな時間の聞き方が存在します。
場面や相手に応じて使い分けるといいでしょう。
「Do you have the time?」よりもフランクな表現
- What time is it?
- What's the time?
親しい友人や家族の間で使えるフランクな表現です。
「Do you have the time?」よりも丁寧な表現
- Could you tell me what time it is?
- Do you know what time it is?
「Do you have the time?」も初対面の相手レベルでも十分使える表現ですが、さらに丁寧に時刻を聞きたいときには上の2つのフレーズが使えます。