- 「"not at all"って"全くない"以外にどんな意味があるの?」
- 「"not at all"で"いいですよ"っていう意味になるってホント?」
- 「そのまま発音したらダメなの?」
と疑問に思っていませんか?
"not at all"をそのまま訳すと、
- 全くない
となります。
これはきっとあなたもすでにご存じかと思います。
ですが、実は"not at all"は「全くない」という直訳的な意味以外にも、相手の質問に対する返答などさまざまな意味・ニュアンス・シチュエーションで使うことができる超便利なフレーズなんです。
そこで、この記事を読むことで、
- "not at all"の全3パターンの意味とシチュエーションと使い方は?
- "Can you~?"/ "May I~?"に"Not at all."と返答するのはNG?
- "not at all"は「ノット・アット・オール」と発音してはいけない?
という疑問がスッキリ解決します。
1."not at all"の全3パターンの意味と使い方
"not at all"には以下の3つのパターンの使い方があります。
- ①完全否定「全く~ない」
- ②相手に許可を与える「いいですよ」
- ③"Thank you"と言われたときの返答
すべて同じ"not at all"でも、構文や文脈やシチュエーションによって上記の3つの意味を持ち得ます。
これだけパターンがあると、ハッキリ言ってどれがどの"not at all"なのか見分けがつきませんよね?
そこで、これら"not at all"が、どのような使われ方の時にどの意味になるのかについて詳しく解説していきます。
①完全否定「全く~ない」のパターン(文中で使われる場合)
まず一つ目の、"not at all"の使い方(使われ方)は、
- 完全否定(全く~ない)
というパターンです。
このパターンは、そのまま"not at all"の形のまま使うのではなく、
- be not ~ at all
- don't ~ at all
- haven't ~ at all
というように、否定文に"at all"を加えて否定文を強調するという使い方をする場合がほとんどです。
なぜ、このような完全否定のような意味となるかと、
- "not ~ at all"→「完全に(at all)not」→「完全に~でない」
と考えると一目瞭然です。
- It doesn't snow at all where I live.
(私が住んでいるところでは全く雪が降らない。) - I haven’t had any food at all today because I'm so busy at work.
(仕事で忙しくて今日は全く食事を口にしていない。) - She didn't listen to his advice at all.
(彼女は彼のアドバイスを一切聞き入れなかった。)
"not ~ in the least"に置き換えることも可能
また、この完全否定(「全く~ない」)の意味として使われる場合は、代わりに、
- "not ~ in the least"
を使うことができます。
"~at all"は「全く~」「多少なりとも~」というニュアンスがありますが、"~in the least"にも「少しも~」「ちっとも~」という近いニュアンスがあります。("least"は"little"の最上級「最も少ない(小さい)」です。)
それゆえ、完全否定を表したいときに、"not ~ at all"を使って表現したいところを、"not ~ in the least"を使っても問題ないというわけです。
- It doesn't snow in the least where I live.
(私が住んでいるところでは少しも雪が降らない。) - I haven’t had any food in the least today because I'm so busy at work.
(仕事で忙しくて今日は少しも食事を口にしていない。) - She didn't listen to his advice in the least.
(彼女は彼のアドバイスを少しも聞き入れなかった。)
②相手に許可を与える「いいですよ」
2つ目の使い方(使われ方)のパターンは、話し相手に、
- Do you mind ~?
- Would you mind ~?
(~してくれますか?/~していただけますか?)
というような"mind"系のフレーズで質問されたときに、
- 「いいですよ。」("Not at all.")
というように、許可の返答をするときに使う使い方です。
一見すると、
- 「どうして"Not at all"で「いいですよ。」になるの?
"Not"だから「ダメです。」になるんじゃないの?」
と思いませんか?
ですが、一つ一つ考えていくと、なぜ"Not at all"が「いいですよ。」という許可の表現になるのか理解することができます。
なぜ"Not"(at all)なのに「いいですよ」になるのか
なぜ"Not"(at all)なのに「いいですよ」になるのか。
それは、
- Do you mind ~?
- Would you mind ~?
という形式の質問フレーズについてしっかり理解できると自然とわかります。
わかりやすいように、以下の例文をもとに考えてみましょう。
- Chuck:Do you mind if I open the window?
(チャック:窓を開けてもいいですか?)
Wilson:Not at all.
(ウィルソン:いいですよ。)
まず、チャックの
- Do you mind if I open the window?
という文について詳しく見ていきましょう。
これを文章通り直訳すると、
- "Do you mind if I open the window?"→「もし私が窓を開けたらあなたはmindしますか?<直訳>」
となります。
すなわち、
- 「もし私が窓を開けたらあなたはmindしますか?<直訳>」→「私が窓を開けることに対してあなたは気にしますか?」
ということで間接的に「窓を開けてもいいですか?<意訳>」と聞いているわけです。
では、この"Do you mind if I open the window?"(もし私が窓を開けたらあなたはmindしますか?<直訳>)に対して、「窓を開けてもいいですよ」と言いたいときはどう答えたらいいのでしょうか?
それは、「(窓を開けても)mindしますか?」という質問に対して「mindしません」="I do NOT mind"と答えればよいわけです。
すなわち、英語の直訳的には、
- "Do you mind if I open the window?"(私が窓を開けることに対してあなたはmindしますか?)
→"Not at all."(あなたが窓を開けることに対して全然mindしません。)
ということになります。
したがって、結果的に、
- "Not at all."で相手の質問に対する許可の返答(いいですよ)
となるわけです。
- A:Do you mind if I seat here?
(ここに座ってもいいですか。)
B:Not at all.
(かまいません。) - A:Would you mind helping me carry this box?
(この箱を運ぶのを手伝ってくれませんか。)
B:No, not at all.
(ええ、いいですよ。)
"Not at all"以外で「いいですよ」と答えるフレーズ
また、
- Do you mind ~?
- Would you mind ~?
などの「"mind"しますか?」系の質問に対して、「いいですよ」「かまいません」と許可をしたいときに使えるフレーズは"Not at all"以外にも以下のようなものが存在します。
~「"mind"しますか?」系の質問に許可の返答をするときに使えるフレーズ一覧~
- Not at all.(直訳:全くmindしません。)
- Not in the least.(直訳:少しもmindしません。)
- Of cource not.(直訳:もちろんmindしません。)
- Certainly not.(直訳:もちろんmindしません。)
直訳的には若干ニュアンスが異なりますが、どれも意味的には「"mind"しないから大丈夫ですよ。(いいですよ。)」という返答となります。
「ダメです」と断るときはなんて言う?
ついでに、「"mind"しますか?」系の質問に対して、
- 「ダメです」
と断る場合にはどう言えばいいのかについてもサクッとの解説しておきます。
ここで、
- 「「ダメです」と言いたいのだから「"mind"します」="Yes,I mind."って言えばいいんじゃないの?」
と思いませんか?
しかし、"Yes, I mind"という言い方だと、「~していいですか?」→「はいダメです。」という感じの"感情なし人間"の超ドストレートな返答となってしまうので、これは避けた方がいいです。
そこで、おすすめなフレーズは、
- I'd rather you didin't.(できればやめていただけたいのですが。)
です。
"would rather~"は「どちらかといえば~したい」というニュアンスの自分の希望を超控えめで丁寧に表す表現です。
なので、「いいですよと言いたいところなんですけど、どちらかというとやめてほしいです。」という感じのかなり遠回しで丁寧なニュアンスとなります。
- A:Would you mind if I smoke?
(タバコ吸ってもいいですか?)
B:I'd rather you didin't.
(できれば控えていただけたいのですが。)
その他の「気にしますか?(してもいいですか)」の質問フレーズ
また、
- Do you mind ~?
- Would you mind ~?
の他にも、
- Would it bother you if ~?
という質問フレーズでも、「"mind"しますか?」系の質問に対する返答の仕方と全く同じ返答の仕方ができます。
"bother"は「悩ます」「迷惑をかける」などという意味を持つ動詞です。
すなわち、
- "Would it bother you if~?"→"~することはあなたをbotherしますか?<直訳>"→"~してもいいですか?<意訳>"
というニュアンスでこのような意味となるわけです。
要するに「"mind"しますか?」が「"bother"しますか?」になっただけだと考えるとわかりやすいです。
- A:Would it bother you if I ask you a question?
(一つ質問してもかまいませんか?)
B:No,not at all.
(ええ、いいですよ。)
③”Thank you”と言われたときの返答
3つ目の使い方のパターンは、
- 相手に感謝されたとき(”Thank you”と言われたとき)の返答
として使う方法です。
ですが、一見"Thank you"と言われてなぜ”Not at all"と言うのかわけがわからなくありませんか?
そこで、一体どういうニュアンスで使われるのかというと、
- 「全く"Thank you"なんて言われるようなことじゃないですよ」
という意味合いで使われるわけです。
日本語でも「ありがとうございます。」と言われたときに「いえいえ、全然。」というように答えることがありませんか?
これと感覚が似ています。
- A:Thank you for your help.
(手伝ってくれてありがとうございます。)
B:Not at all.
(ぜんぜんかまいませんよ。)
"Not at all."以外の"Thank you."に対する返答
"Not at all."以外にも、"Thank you."と言われたときの返答として使える定番フレーズには以下のようなものが存在します。
- That’s OK.(いいですよ。)
- That’s alright.(いいですよ。)
- Sure.(もちろん。)
- Anytime.(いつでもどうぞ。)
- You bet.(どういたしまして。)
- Don't mention it.(礼なんていりませんよ。)
- Just returning the favor.(お返しをしただけですよ。)
- You deserve it.(当然のことですよ。)
- Don't worry about it.(気にしなくていいですよ。)
- No worries.(気にしなくていいですよ。)
- No problem.(問題ないですよ。)
- It’s nothing.(どうってことないですよ。)
なぜこのような意味として使われるのか、細かいニュアンス、使い方については"My pleasure"は"You're welcome"とどう意味が違うの?にて詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。
2."Can you~?" / "May I~?"の返答に"Not at all."は使わない方がいい?
先ほど、
②相手に許可を与える「いいですよ」
では、
- Do you mind ~?
- Would you mind ~?
- Would it bother you if ~?
などの「"mind"しますか?」「"bother"しますか?」系の質問に対して、「いいですよ」と許可する場合の返答として"Not at all"を使うことができると解説しました。
ですが、一つ注意しておきたいことがあります。
それは、「"mind"しますか?」「"bother"しますか?」系以外の、
- Can you~?(~してくれますか?)
- Will you~?(~してくれますか?)
- Could you~?(~してくれますか?)
- Would you~?(~してくれますか?)
- May I~?(~してもいいですか?)
- Can I~?(~してもいいですか?)
- Could I~?(~してもいいですか?)
などの質問に対して、"Not at all."は使わない方が無難です。
なぜかというと、
- 許可しているのか否定しているのかハッキリしない返事となってしまうから
です。
~許可しているのか否定しているのかハッキリしない返事となってしまう例~
- A:Can you lend me a million dollars?
(100万ドル貸してくれませんか?)
B:Not at all.
(全くできません。)OR(全然いいですよ。)????? - A:May I have a seat?
(ここに座ってもいいですか?)
B:Not at all.
(ダメです。)OR(全然いいですよ。)?????
このような答え方をしてしまうと、相手の質問に対して、
- 「かまいませんよ」という意味での"Not at all."
なのか、それとも、
- 相手の質問に対して否定する「ダメです」という意味での"Not at all."
なのか、ネイティブスピーカーでもハッキリしません。
なので、これらの"mind""bother"系以外の形式で質問された場合は"Not at all."を使うのは控えるのが無難です。
3."not at all"は「ノット・アット・オール」と発音してはいけない?
ここまでで"not at all"の使い方や意味はだいたい理解できたと思いますが、あなたは、
- not at all
をどのように発音していますか?
特に日本人の英語学習初級者・中級者にありがちな発音は、
- ×:「ノット・アット・オール」
という文字通りに一つ一つ読む発音です。
たしかに、これでも間違いではなりません。
全く通じないということもないでしょう。
しかし、英語学習初心者感が出てしまい恥ずかしいですよね?
では、ネイティブのようにカッコよく発音するにはどうしたらいいでしょうか。
そのコツは、
- ×)"not"+"at"+"all"(ノット・アット・オール)
という分け方で発音するのではなく、
- 〇)"no"+"ta"+"tall"(ノダrドォ/ナラロ/ナダドール)
という3つのブロックの分け方で高速に発音することです。
実際の発音の音は以下の動画を参考にしてみるといいでしょう。
これで、"The日本人感"丸出しの恥ずかしい「ノット・アット・オール」という発音ではなく、ネイティブのよう流暢にカッコよく"not at all"を発音することができます。ぜひ使ってみてください。