- 「"got to~"ってどういう意味?」
- 「"しなければならない"と言いたいときの"got to~"の使い方は?」
- 「"have got to~"と"have to~"の違いは?」
と疑問に思っていませんか?
この「got to~」という表現は日本の学校での英語の授業ではあまり取り上げられないので、あまり馴染みのない表現かもしれません。
ですが、実際のネイティブの会話では「got to~」というワードは頻繁に使われます。
また、「got to~」という表現の意味は一つだけでなく、
- 型や前後の単語
- 会話の流れ・文脈
によって様々な意味として使われます。
ですが、この記事を読むことで、
がスッキリわかります。
1.「got to~」には全5つのパターンがある
一言で「got to~」と言っても、大きく以下の5つの意味・使い方があります。
- 「~しなけらばならない」("have got to~")
- 「~する機会を得た」
- 「(特権として)何かをすることが許された」
- 「~をするようになった」
- 「イライラする」「頭にくる」「不快に思う」("get to me"の過去形)
どの意味になるかは、シチュエーションや文脈によって変わってきます。
そこで、それぞれの具体的な使い方や見分け方を見ていきましょう。
①「~しなけらばならない」(have got to~)
一つ目は、"got to~"の前に"have"をつけて、
- have got to~
という形で、「~しなければならない」という意味を表す使い方です。
意味的には、
- have to~(しなければならない)
とほぼ同じと考えてもらって構いません。
「have got to~」と「have to~」の細かいニュアンスの違い
しかし、「have to~」と「have got to~」は、厳密には微妙なニュアンスの違いが存在します。
(そのニュアンスの違いを表現するためにネイティブスピーカーはわざわざこの2つを使い分けるわけです。)
何が違うかと言うと、具体的には以下のようなニュアンスの違いが存在します。
- have to~:to do(すること)をhaveしている(持っている)→しなけらばならない
- have got to~:"to do(すること)にgotした(至った)"という状況をhaveしている→しなければならない状況にある/しなければならなくなっている
なので、「have got to~」は厳密には、「しなければならない」というよりは「(何らかの理由で)しなければならなくなった」という感覚の方が近いかもしれません。
「I gotta~」は「I have got to~」の省略形
"I"を主語にして「I have got to~」と言うときは、短縮して「I gotta~」と言うこともあります。
発音が変わるだけで意味は全く同じです。
実際のネイティブ会話では、そろそろ帰らなきゃらないときに、
- I gotta go.(もう行かなくちゃ)
という形でよく使われます。
- I gotta tell you truth.
(あなたに真実を伝えなければなりません。) - I gotta move to Tokyo next month.
(来月、東京へ移り住まなければならない。) - I gotta go becanse I have work tomorrow.
(そろそろ行かなくちゃ、明日仕事があるから。)
②「~する機会を得た」
2つ目の「got to~」の使われ方は、
- 「~する機会を得た」
という意味で使う使い方です。
なぜ「got to~」で「~する機会を得た」となるかというと、
- "to do"をgetした→doする機会を得た
と考えると感覚的にわかりやすいです。
例えば以下のように使います。
- I got to test drive a Lamborghini last week.
(先週、ランボルギーニを試乗する機会がありました。) - Did you get to talk to the baseball players?
(その野球選手と話すことが出来ましたか?) - I don’t get to travel very often.
(私は旅行をすることがほとんど出来ません。)
"have the opportunity to”の口語的な表現として使われます。
③「(特権として)何かをすることが許された」
3つ目の「got to~」の使われ方は、
- 「(特権として)何かをすることが許された」「何かをする権利を得た」サンプル
という意味で使う使い方です。
- "to do"する権利をgetした→何かをする権利を得た(許された)
と考えるとわかりやすいです。
“be allowed to”や“have the privilege to”のラフな言い方として使われます。
- He got to work from home.
(彼は自宅で仕事することが許された。)
④「〜をするようになる」
4つ目の「got to~」の使われ方は、
- 「~するようになる(~し始める)」
という意味で使う使い方です。
- "to do"する状態に"get"した(到達した)→"to do"するようになった
と考えるとわかりやすいです。
“start to"と同じ意味合いで使われます。
実際に以下の例文のように使われます。
- I got to know him personally once I started working with her.
(彼と一緒に仕事をし始めてから、彼のことを個人的に知るようになった。) - What do I need to do to get my husband to appreciate me?
(夫に感謝されるようになるには、どうしたらいいのでしょうか?) - I got to understand the importance of health as I grew older.
(年を取るにつれて、健康の重要さを理解するようになった。)
⑤「イライラする」「頭にくる」「不快に思う」
英語には「~get to me」という形で、
- 「~が気に障る」「~でイライラする」「~に頭にくる」「~を不快に思う」
表現があります。
(“annoy”や“bother”と同じような意味と考えるとわかりやすいでしょう。)
これの過去形として、
- ~got to me(~が気に障った/~にイライラした/~が頭にきた/~に不快に思った)
という形で"got to"が使われることもあります。
また、"get to(got to)"の後は"me"以外にも"you","him","her"などに置き換えて使うこともできます。("get to you","get to him","get to her"など。)
- What Bob said to me yesterday really got to me.
(昨日ボブに言われたことがマジで頭にきた。) - Her betrayal got to him for a while.
(彼女の裏切りで彼はしばらく落ち込んだ。)
「got to~」をどうやって見分ける?
では、ここまで紹介した、5つの「got to~」のパターンをどうやって見分けたらよいのでしょうか?
そこで、最もカンタンな「got to~」の見分け方の手順を作ってみました。
- "got to"の前に"have"がある("have got to"の形になっている)
→「~しなければならない」のパターン - "got to"の後に"me","you"などの人を表す名詞がくる
→「気に障る/頭にくる」のパターン - ①,②のどちらでもなく"got to V(動詞)"の型をとる
→文脈によって「~する機会を得た」/「(特権として)何かをすることが許された」/「〜をするようになる」のいずれかのパターンとなる
③の場合は、どうしても文脈や会話の流れでしか判断できないので、機械的な判断法に頼らず、自分の英語力で判断するしかありません。
なので、暗記や小手先のテクニックで済まそうとせずに、基礎的な英語力をしっかりと身につけましょう。