- 「"be going to"と"will"って何か違いがあるの?」
- 「"be going to"と"will"は置き換えられるの?」
- 「実際にネイティブスピーカーはどう使い分けてるの?」
と疑問に思っていませんか?
あなたはおそらく、中学生のときの英語の授業で、
- 「未来に"~する予定"と表したいときは"be going to"か"will"を使いましょう」
と習ったはずです。
ですが、
- なんでわざわざ、同じ"未来に~する予定"と表す言い方が2つもあるの?
と疑問に思いませんか?
それはなぜかというと、
- "be going to"と"will"は、厳密にはそれぞれ異なるニュアンスを持つ表現
だからです。
では、具体的に何がどう違うのでしょうか。
また、どうやって使い分けたらいいのでしょうか。
そこで、この記事を読むことで、
- "be going to"と"will"のニュアンスの違い
- "be going to"と"will"は置き換えられる?
- "be going to"と"will"以外で「(未来に)~するつもり」を表す方法
がスッキリわかります。
1."be going to"と"will"は何が違う?基本的な使い分け方
まずは、"be going to"と"will"の基本的な違いとその理由について見ていきます。
違いは"その場で思いついたこと"かどうか
"be going to"と"will"の基本的な違いは、ズバリ、
- "be going to":予め予定していた「~するつもり」
- "will":その場で思いついた「~するつもり」
です。
日本語で訳してもどっちも「~するつもり」で通じてしまうので、日本語訳だけを見てもよくわかりにくいですが、この2つのポイントさえ押さえておけば違いや使い分け方スッキリわかります。
もっとわかりやすいように以下の会話文で実際の使い分けの例を見てみましょう。
- Chuck:I’m going to have a BBQ in my garden tonight.
(今夜はうちの庭でバーベキューをするんだ。) - Wilson:Sounds good! Maybe I'll have a BBQ with my family this weekend too.
(いいね!私も今週末に家族とバーベキューしようかな。)
まず、Chuckは"be going to"を使って、「今夜バーベキューをするつもり」と述べています。
これがなぜ"will"ではなく"be going to"なのかというと、
- (発言の時点で)Chuckは今夜バーベキューをすることを、予め予定していたから
です。
おそらくChuckは、この会話で「今夜バーベキューをするんだ」と言う前から、予めこの日にバーベキューをする予定を立てていスケージュールを開けて器具や食材などを用意していたはずです。
なので、彼は、
- 予め予定していた「~するつもり」:"be going to"
を使っているわけです。
その一方で、Wilsonは、もともとは予めバーベキューをする予定はありませんでした。
しかし、Chuckの「今夜バーベキューをするんだ!」という話を聞いて、「それいいな、私も今週末バーベキューしようかな」とその場で「(未来に)バーベキューしようかな~」と思い付いたため、
- その場で思いついた「~するつもり」:"will"
を使っています。
-
まとめると、このようになります。
- Chuck→発言する前からバーベキューをする予定を立てていたので"be going to"
- Wilson→Chuckの話を聞いてその場で「私もバーベキューしよかな~」と思い付いたため"will"
このように、同じ「~するつもり」でも、発言のシチュエーションによって"be going to"と"will"の使い分けがハッキリと存在します。
どうしてそうなるの?
ですが、
- "be going to":予め予定していた「~するつもり」
- "will":その場で思いついた「~するつもり」
というのをそのまま丸暗記しようとしても、後々思い出そうとしたときに「どっちがどっちだっけ?」と混乱してしまうと思いませんか?
(せっかく理解しても、意味を真逆に覚えていては意味がありませんし。)
ですが、なぜそういう意味になるのかというイメージさえ掴んでおけば忘れることはありません。
"be going to"の「~するつもり」のイメージ
"be going to do"の「(未来に)~するつもり」のイメージは、
- 今現在、未来の出来事(do)に"be going"してる(向かっている)
というイメージです。
基本的に、「~している予定」と訳しても違和感がない場合には、この"be going to"を使うことができます。
つまり、先ほどのバーベキューの例文でいうと、Chuckは今すでにバーベキューをする予定を立てている、すなわち"have a BBQ"に今"going"してる(=向かっている)最中というイメージです。
"will"の「~するつもり」のイメージ
一方で、"will"の「(未来に)~するつもり」のイメージは、
- 未来に~するという意思を持っている/~するということを思い付いた
というイメージです。
ここで押さえておきたい、"be going to"との決定的な違いは、
- "be going to"は現在未来の出来事にすでに向かっている最中
ですが、
- "will"はあくまでも未来に~する意思を頭の中で持っている(あるいは思い付いた)
というところです。
なので、"will"よりも"be going to"の方が未来の出来事が起こる可能性/未来に~する確実性は高いです。
先ほどのバーベキューの例文でいうと、WilsonはChuckの話を聞いて、「自分も今週末バーベキューしようかな」とその場でパッと思い付きました(今週末にバーベキューをしようという意思を持ちはじめた)。
ですが、Wilsonは別にその前からバーベキューをする計画を実行していたというわけではないので、"be going to"ではなく"will"を使うのが適しているということです。
2."be going to"と"will"は置き換えられる?
先ほどの1."be going to"と"will"は何が違う?で解説したように、"be going to"と"will"には細かいニュアンスの違いが存在します。
ですが、"be going to"と"will"は置き換えて使うことはできるのでしょうか?
結論から言うと、"be going to"と"will"は置き換えても問題ない場合と、置き換えることができない場合の両方が存在します。
より正確に言うと、
- どちらを使ってもあまり意味が変わらない場合は置き換えても問題はない(細かいニュアンスは変わるが会話の流れ的に問題が生じないレベルの場合)
ですが、
- 大きく意味が変わってしまう場合は置き換えることはできない(置き換えると相手に話が通じなくなる場合)
ということです。
- 「んっ?"置き換えると大きく意味が変わってしまう"って例えばどういう感じ?」
と思っているかと思いますので、わかりやすいように具体的な例を見てみましょう。
置き換えると大きく意味が変わってしまう具体的な例(置き換えられない例)
置き換えると意味が変わってしまう例①
- Will you marry me?
(私と結婚してくれますか?)
これはプロポーズの定番フレーズです。きっとあなたも一度は聞いたことはあるでしょう。
ニュアンスとしては、
- 私("me")と結婚("marry")する意思("will")はありますか?
という感じです。
ですが、もしもこのフレーズの"Will"を"be going to"に置き換えるとどうなるでしょうか。
- ×:Are you going to marry me?
(私と結婚するつもりですか?)
(私と結婚する予定はありますか?)
このように、
- もともと私と結婚する予定を持っているか
- もともと私と結婚する計画か
という意味となってしまい、少なくとプロポーズの台詞としては明らかに不自然な文(セリフ)となってしまいます。
したがって、この例文の場合、"will"は"be going to"に置き換えられません。
置き換えると意味が変わってしまう例②
- Chuck:Would you like to go for a drink after work?
(仕事終わったら飲みに行きませんか?) - Wilson:That sounds great! I'll see you at Shinbashi station at 8pm.
(それはいいですね。8時に新橋駅で会いましょう。)
Chuckに飲みに誘われたWilsonは、その場で「それはいいね、飲みに行きましょう」という話になったので、"will"を使った"I'll see you~"という表現を使っています。
ですがもしも、この例のWilsonのセリフの"I'll see you~"が"I'm going to see you~"だったらどのようになるでしょうか。
- Chuck:Would you like to go for a drink after work?
(仕事終わったら飲みに行きませんか?) - ×:Wilson:That sounds great! I'm going to see you at Shinbashi station at 8pm.
(それはいいですね。8時に新橋駅であなたに会う予定です。)
このように、WilsonはChuckにその場で「飲みに行きませんか?」と誘われたにもかかわらず、その前からChuckと会う予定があった(つもりだった)かのようなニュアンスになり、会話が成り立たなくなるのがわかります。
置き換えると意味が変わってしまう例③
- Chuck:Would you like to go for a drink after work?
(仕事終わったら飲みに行きませんか?) - Wilson:I’m sorry, but I'm going to dinner with my family tonight.
(ごめんなさい。今夜は家族とディナーに行く予定なので。)
この例文の場合は、Wilsonは、Chuckに誘われる前から予め家族とディナーに行く予定があったので、"be going to"を使って"I'm going to dinner~"という表現を使っています。
では、もしも"I'm going to dinner~"が"I'll go to dinner~"だったらどのようになるでしょうか。
- Chuck:Would you like to go for a drink after work?
(仕事終わったら飲みに行きませんか?) - ×:Wilson:I’m sorry, but I'll go to dinner with my family tonight.
(ごめんなさい。今夜は家族とディナーに行きます。)
このように、WilsonはChuckに「飲みに行かない?」と聞かれたときにその場で家族と食事に行くことにしたかのようなニュアンスとなり非常に不自然な会話となってしまいます。(WilsonがChuckと飲みに行くのを意図的に避けているかのようなニュアンスとなってしまいます。)
置き換えても意味は通じるが細かいニュアンスが変わる場合もある
ここまでの"大きく意味が変わってしまう場合"の他にも、
- "be going to"と"will"を置き換えると、話が通じないほど意味が変わるわけではないが、細かいニュアンスが若干変わる
という場合もあります。
わかりやすいように具体的な例を見てみましょう。
~細かいニュアンスが変わる例~
- I'm going to finish my homework by six.
(宿題は6時までに終わるよ(予定で進んでるよ)) - I'll finish my homework by five.
(宿題を6時までに(意地でも)終わらせるよ)
上の例では、
- be going to:このまま進めば6時までに宿題が終わる(終わりそう)、という事実を述べている
- will:今どれくらい宿題が進んでいようと関係なく「6時までには宿題を終わらせるぜっ」という強い意思を表している
というニュアンスの違いがあります。
このように、どちらでも意味が通じる場合でも、
- be going to:単に自分の行動・予定を述べる
- will;「~する」という強い意志を伝える
というニュアンスの違いが出てきます。
3.そもそもそこまで使い分ける必要はあるのか?
ここまで解説してきたように、"be going to"と"will"にはハッキリとした違いがあります。
ですが、そこまでキッチリと細かく使い分ける必要はあるのでしょうか?
もちろん、きちんと両方を完璧に意識して使い越せるのが理想です。
ですが、余裕がない場合はそこまで神経質になりすぎる必要はありません。
というのも、実際は、
- どちらを使ってもでもあまり意味が変わらない(変わっても細かいニュアンスだけ)
という場合が多いからです。
置き換えると大きく意味が変わってしまう具体的な例(置き換えられない例)で紹介したような、意味が大きく変わってしまうあるいは意味が通じなくなる場合は使い分ける必要があります。
ですが、実際は細かいニュアンスが変わるだけで特に「これが"正解"」ということがない場合が多いです。
ものによってはネイティブでも人によって意見が分かれるものもあるくらいです。
もちろん、ある程度基本的な英語を話せる/書けるという中・上級者の場合は、細かいニュアンスまで意識して使い分けるといいかもしれません。
しかし、「まだ細かいニュアンスを意識するまで余裕がない」という場合は、あまり意識しすぎる必要はありません。(それよりも基本的な構文や単語・フレーズの使い方を優先しましょう。)
4."be going to"と"will"以外で「(未来に)~するつもり」を表す方法
実は、"be going to"と"will"以外にも「(未来に)~するつもり」を表す表現が存在します。
それは、
- be ~ing(いわゆる現在進行形)
です。
- I'm studying computer programmin next year.
(来年コンピュータープログラミングを学ぶ予定です。)
日本人はこの現在進行形での未来の表現を使うことは少ないですが、ネイティブスピーカーはよく使います。
"be ~ing"は"will"と"be going to~"と何が違う?
ではこの"be ~ing"を使った表現は、"will"と"be going to~"とは何が違うのでしょうか?
それは、
- "be ~ing"の方が"be going to~"よりも未来の出来事が行われる確信度(確定度)が高い
(1.”be going to”と”will”は何が違う?で解説したように、"be going to"は"will"よりも確信度(確定度)が高い。)
という点です。
"be ~ing"で未来を表す際に使われるイメージは、
- 今すでに現在進行形で"be ~ing"してる感覚なくらい確実に未来に~してるよ
というイメージです。
なので、「今現在、未来の出来事(do)に”be going”してる(向かっている)」というイメージの"be going to"よりも未来の出来事を行っている(あるいは未来の出来事が起こる)確信度(確実性)が高い表現となります。
すなわち、まとめると、
- (確信度 高)be ~ing > be going to > will(確信度 低)
の順で未来の出来事の確信度が高い表現となります。
また、実際に、それぞれのニュアンスを同じ文で比較してみると以下のようになります。
- I'm studying computer programmin next year.
(来年コンピュータープログラミングを学ぶ予定です。)
→たとえば、すでにプログラミングスクールの入学手続きを完了しており、予習も行い、準備万端な状態。 - I'm going to study computer programmin next year.
(来年コンピュータープログラミングを学ぶつもりです。)
→たとえば、どのコンピューター言語を学ぶのか、どこのプログラミングスクールに通うのかなどの計画を立てている途中。 - I'll study computer programmin next year.
(来年コンピュータープログラミングを学ぼうかと思っています。)
→たとえば、具体的なことはまだ何も決めていないが、とりあえず「来年プログラミングを学ぼう!」と決心している状況。
5.英語の「(未来に)~する」のまとめ
"be going to"と"will"の基本的な違い
- "be going to":予め予定していた「~するつもり」
- "will":その場で思いついた「~するつもり」
"be going to"と"will"は置き換えられる?
- Q:"be going to"と"will"は置き換えられる?
- A:置き換えられる場合(置き換えても意味に変化がほぼない場合)と置き換えられない場合(置き換えると意味が大きく変わるため文章・会話が成り立たなくなる場合)がある。
置き換えられる場合でも、細かいニュアンスの違いが出ることもある。
"will"と"be going to"と"be ~ing"の違い
- will:未来に~するという意思を持っている/~するということを思い付いた
- be going to:今現在、未来の出来事(do)に”be going”してる(向かっている)
- be ~ing:今すでに現在進行形で"be ~ing"してる感覚なくらい確実に未来に~してるよ
- (確信度 高)be ~ing > be going to > will(確信度 低)
の順で未来の出来事の確信度が高い表現