「That's too bad.」=「お気の毒に。」「残念ですね。」
きっとあなたは中学・高校の英語の授業でそう習ってきたと思います。
しかし、時と場合により、「That's too bad」は、英語ネイティブにとっては「あら残念(笑)」「ざまあみろ」という皮肉的な意味に聞こえてしまうこともあります。
では、どのようなときに「That's too bad」が同情的なニュアンスに捉えられ、どのようなときに皮肉的なニュアンスとなるのでしょうか。
そこで、ここでは、
を解説していきます。
1.That's too badは「お気の毒に」ではない!?
「That's too bad」は中学校・高校や初級英会話教材などではよく、
- 「お気の毒に」「それは残念ですね」
という意味で教えられます。
確かにそれは間違いではないのですが、実際のネイティブ間での会話では冒頭でも述べたような、
- 「あら残念(笑)」「ざまあみろ」
というような皮肉的な意味(嫌味的なニュアンス)で使われることもあります。
なので、使い方を少し誤ってしまうと、「それはお気の毒に。」というつもりで言った「That's too bad.」が、ネイティブに皮肉的なニュアンスだと誤解されてしまうこともあります。
せっかく同情のつもりで言ったのに皮肉に捉えられて、悪魔みたいな人間だと思われるのは非常に困りますよね。
(ではどうしたらよいのかというには下記で説明しています。)
2.文脈によってニュアンスが変わるThat's too bad
では、どういうときに「お気の毒に」(同情)となり、どういうときに「あら残念(笑)」(嫌味)というニュアンスとなるのでしょうか。
それは、ズバリ、
- 文脈
- トーン(+表情)
に左右されます。
文脈とトーンで決まると言われてもモヤモヤするかもしれませんが、事実として、基本この2つで意味が左右されます。
文法のように「こういう文型のときにどっちになる」というような明確な決まりなどはありません。
日本語でも「残念ですね」という言葉が、文脈と言い方によって「残念ですね。(泣)」(同情)になったり「残念ですねぇぇぇー(笑)」(皮肉)になったりするのと同じ感覚です。
百聞は一見に如かずなので、以下に2つの例文を見てみましょう。
"同情"のニュアンスとなる場合
例)
A:Oh, I left my purse at home.
(財布家に忘れてきたんだよね。)
B:Oh, that's too bad. I'll lend you some money.
(ああ、それはまずいね。いくらか貸してあげるよ。)
"皮肉"のニュアンスとなる場合
例)
A:I can't believe you cheated on me!
(浮気したなんて信じられないわ)
B:I'm sorry. I won't do it again.
(ごめんもう二度としないから)
A:That's too bad. I will never forgive you.
(あら残念。一生許すつもりはないわ。)
上記の2つの例を見てもらうと、文脈によってかなりニュアンスが異なってくることがわかりませんか?
特に「That's too bad」の前後の発言が強い影響を与えます。
3.「お気の毒に」はThat's too badを使わないのが無難
もしも、「お気の毒に」「残念ですね。」(同情的な)というニュアンスを伝えたいならば、誤って皮肉と捉えられる可能性のある「That's too bad」は使用しないのが無難です。
それには以下の2つの理由があります。
- 理由1:文脈によってニュアンス変わるので初心者(非ネイティブ)にとっては非常にリスキー。
- 理由2:イギリス英語では文脈に問わずで皮肉っぽく捉えられる傾向にある。
文脈による意味の変化の感覚や会話の流れのニュアンスの感覚がわかる英会話中上級者ならば、文脈によって気を付けて"That's too bad"を使えばいいのですが、まだネイティブの感覚までたどり着いていない人(ほとんどの英語学習者がそうだと思いますが)にとっては「文脈」と言われてもよくわからない・自信がないことがほとんどのではないでしょうか。
そんな中で会話の文脈(会話の空気)を読み取りながらヒヤヒヤして「That's too bad」を使うのはリスキーといえます。(精神衛生上もよくないですし。)
また、イギリス英語圏では、文脈に問わず皮肉的な意味で使われることが多いです。
(つまり、余計、皮肉と捉えられる可能性が高いということ。)
なので、よっぽどの"「That's too bad」が大好き人間"あるいは"「That's too bad」マニア"でない限りは、「That's too bad」の代わりに他の語を使うのが無難です。
3-1.That's too badの代わりに使えるThat's a shame
同情の「残念ですね」を表したいときには、「That's too bad」の代わりに、
- That's a shame.
を使うのが無難です。
「shame」は直訳で「恥」「羞恥心」のような意味で使われることもありますが、「That's a shame」で、同情的な「残念ですね」「お気の毒に」というニュアンスとなります。
実際に、先ほど述べた、「That's too bad」が文脈に問わず皮肉的な意味で使われる傾向にあるイギリス英語圏でも、「That's a shame」が使われることが多いです。
(ちなみに「What a shame」でも可。)
3-2.シリアスな場面ではI'm sorry to hear that
ここまで説明してきた「That's too bad」「That's a shame」は、実はあまり事態が深刻でない場合にだけ使う、カジュアルな同情表現です。
基本的に日常会話などの会話で使われます。
ですが、例えば、ビジネスや仕事における問題や、生死に関わるような深刻な話などの、「残念ですね」の「"残念"な出来事」がシリアスな場面では、
- I'm sorry to hear that.
を使います。(もちろんニコニコではなくシリアスな表情・トーンで言う。)
こちらの方が丁寧な表現となります。
相手がメンタルが重度に深刻な状態のときに「That's a shame(That's too bad)」というと、若干気まずい空気になるので注意が必要です。
なので、相手のメンタルダメージ度(メンブレ度)を探りながら「That's a shame」「I'm sorry to hear that」をうまく使い分けましょう。
(どっちにするか迷ったらI'm sorry to hear thatを使うのが無難。)
3-3.Oh, I'm SO sorry to hear thatで同情度がアップ
また、先ほどの、「I'm sorry to hear that」を少し工夫して、
- Oh, I'm SO sorry to hear that.("SO"は"so"の強調)
と、イントネーション豊かに言うと、同情度が高まります。
日本語の感覚でいうと、「それは非常に残念です。」が「ああ、それはほんっとに残念ですねぇ。。。」になるのと同じ感じです。
4.他にもたくさんある!「That's too bad」以外の「お気の毒に」系フレーズ
「That's a shame」「I'm sorry to hear that」以外の、同情の"残念ですね"を表すフレーズを以下にまとめました。
同情の「それは残念ですね」系フレーズ一覧
- That’s sad.
- That’s a pity.
- That's awful.
- That’s a bummer.
- That's terrible.
- It’s disappointing.
- It’s unfortunate.
「残念ですね」以外のリアクション系フレーズについてはこれだけでかなりネイティブっぽく話せる。定番の英語の相づち10パターン。で解説しておりますのでそちらでご覧ください。