- 「"kind of~"ってどんな意味があるの?」
- 「たくさん意味があった気がするけど全部で何個意味があるの?」
- 「"of a kind"とは意味が違うの?」
と疑問に思っていませんか?
"kind"という単語には、名詞で「種類」「タイプ」、形容詞で「親切な」「優しい」という意味があります。
これもとにそのまま訳すと、
- "kind of~"→「~の種類」「~の親切な」
となります。
ですが、実はこの、
- "kind of~"
という表現は、それ以外にも全部で6パターンの意味として使われるのをご存じですか?
そこで、この記事を読むことで、
がスッキリわかります。
1.Google翻訳の"kind of"の意味は正しい?
おそらくあなたはこのページにたどり着く前に、Google検索で、
- 「kind of」「kind of 意味」
などと検索したのではないでしょうか?
その時に以下のような「kind of」のGoogle翻訳の日本語訳が出てきたのではないのでしょうか?
果たしてこのGoogle翻訳の「すこし」という翻訳は正しいのでしょうか?
結論から言うと、
- 確かに間違ってはいないが、他にもさまざまな意味として使われる(「すこし」だけだと訳が全然足りない)
ということになります。
シチュエーションによっては確かに「すこし」という訳になる場合もあります。
しかし、"kind of"というフレーズは他にもさまざまな意味(=ニュアンス)で使われるパターンがあります。すなわちこのGoogle翻訳の訳では遥かに数が足りません。
では、"kind of~"には全部でどのような意味があるのでしょうか。
2."kind of~"の全6パターンの意味
"kind of~"の使われ方には全部で以下の6パターンが存在します。
- ①「種類の~」「タイプの~」
- ②「好みの~」「お気に入りの~」
- ③「ちょっと」「すこし」「なんか」
- ④「まあね」「そんな感じ」
- ⑤「~みたい」「~に似ている」「~的な」
- ⑥「どうもご親切に(ありがとうございます)」
- 「6つもあるのか。覚えられるかな…」
おそらくあなたはそう思っているのではないでしょうか?
ですがご安心ください。この6つの意味をキッチリ覚える&ド忘れしないためのコツがあります。
それは、
- 6つとも丸暗記しようとしないこと
です。
あなたも薄々思っているかと思いますが、6つとも日本語訳をそのまま丸暗記しようとしても、ほぼ確で一つか二つド忘れします。
また、日本語訳を丸暗記するという方法で覚えたとしても、実際に、文章や英会話中に"kind of~"に遭遇したときにいちいち「えーと、どれが当てはまるかな~…」などといちいち頭で考えていてはスムーズにリーディングや会話をすることができません。
なので、日本語訳をそのまま丸暗記するのではなく、
- 直接"kind of~"の英語のイメージから覚える
のがコツです。
これにより「ド忘れしにくい」+「理解のスピードが速い」という、まさに一石二鳥のメリットが生まれます。
このポイントを意識しながら早速"kind of"の6つの意味を具体的に見ていきましょう。
①「種類の~」「タイプの~」
- kind of~(種類の~/タイプの~)
これは、"kind"の名詞の「種類」「タイプ」という典型的な使い方をそのまま直訳した形に近い使い方です。
特に何のひねりもないのですんなり理解できるかと思います。
とりわけ以下の形で使われることが多いです。
- what kind of~?(どんな種類の~?)
- all kinds of~(全ての種類の~)
- a kind of~(一種の~)
- this kind of~(この種の~)
- that kind of~(あの種の~)
- What kind car do you want to buy for the first time?
(初めて買う車はどんな種類の車がいいですか?) - She like all kinds of music.
(彼女はあらゆる(種類の)音楽が好きだ。) - Motor sports is a kind of sports.
(モータスポーツはスポーツの一種だ。) - This kind of inverter is very noisy.
(この種のインバーターは騒音が著しい。) - All I can say is that he isn't that kind of person.
(私が言えるのは、彼がそのようなタイプの人間ではないということだ。)
②「好みの~」「お気に入りの~」
- my kind of~(私の好みの~)
このように「好みの~」「お気に入りの~」という使われ方をすることもあります。
これは、"kind"の前に"favorite"(お気に入りの~)が隠れていて、
- "my kind of~"→"my (favorite) kind of~"(私のfavoriteなkindの~)
という意味合いで使わていると考えるとわかりやすいです。
また、この「好みの~」「お気に入りの~」という意味で使われる場合、
- my kind of~
というように、
- <所有格> kind of~
という形で使われることが多いです。
(例えば"his kind of~(彼の好みの~)"、"her kind of~(彼女の好みの)"という具合に。)
- She is just my kind of girl.
(彼女はまさに私の好みのタイプだ。) - MARIO PARTY is my kind of game.
(マリオパーティーは私の得意なゲームだ。) - Power Metal is my kind of music.
(パワーメタルは私のお気に入りの音楽ジャンルだ。) - I don't think it's Chick's kind of thing.
(チャックはそれを好むとは思わない。) - McLaren is definitely his kind of car!
(彼は絶対マクラーレンの車が好みだよ!)
③「ちょっと」「すこし」「なんか」
- kind of~(ちょっと/すこし/なんか)
これは例えば、
- I'm kind of busy now.(今、ちょっと忙しいんだ。)
というように、濁して言う(曖昧さを表現する)ときの使い方です。
たしかに、
- I'm busy now.(今私は忙しい。)
とドストレートに言うよりも、"kind of busy"の方が少しオブラートに包んだ聞こえ方になるのがわかります。
なぜこのような意味となるかというと、
- "kind of busy"→「忙しい状態の一種<直訳>」→「いわゆる忙しいという状況の一種」→「ちょっと忙しい(やわらかい表現)」
と考えるとわかりやすいです。
また、この濁す表現の使い方をするときは基本的に、
- kind of <形容詞>
の形で使われることが多いです。
- I’m kind of busy now.
(今ちょっと忙しいんだ。) - I'm kind of hungry.
(ちょっとお腹が空いてる。) - Mike is kind of stupid.
(マイクはちょっとお馬鹿だ。) - It's kind of strange that all of a sudden the sky became dark.
(空が急に暗くなって、なんか変だな。) - This movie really silly, but I kind of like it.
(この映画は超くだらないけどなんか好きだわ。)
④「まあね」「そんな感じ」
- Kind of.(まあね。/そんな感じ。)
これは、相手に何か聞かれたときに、
- 「まあね。」「そんな感じ。」
というように、返事をごまかしたい時や詳しく話したくない時に濁して曖昧に答えるというシチュエーションでの使い方です。
日本語的な感覚でいうと「まあ、そんな感じかな」「そんなところかな」みたいな感じでしょうか。
なぜこのような使われ方をするのかというと、たとえば、
- 相手に「~だった?」と質問された場合、
「Kind of.」→「kind of~.」→「一種の~<直訳>」→「~のような感じ」→「そんな感じ。/まあね。」
というニュアンスでこのような使い方となるわけです。
Chuck:Was that movie interesting?
(あの映画おもしろしかった?)
Wilson:Kind of. It wasn't bad.
(まあね。悪くなかったよ。)
上の例文では、Wilsonは映画を観て、つまらないわけではなかったけど"うん超面白かった!君も観た方がいいよ!"と言うほどは面白くなかったので「まあ、面白くないわけではなかったよ」と答えている感じのニュアンスです。
⑤「~みたい」「~に似ている」
- kind of~(~みたい/~に似ている)
この意味での使い方は、たとえば
- He is kind of like you.(彼はあなたに似ている。)
というように、特に"kind of like~"の形で使われることが多いです。
なぜこのような意味になるかというと、
- "kind of like~"→「~みたいなkind」→「~みたい/~に似ている」
と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、一つだけ注意しておきたいのは、カジュアルな表現なので、ビジネスの場やフォーマルな場面で多用するのはNGだということです。
例)
- This food sample is kind of like real omelet.
(この食品サンプルは本物のオムレツみたいだ。)
- It teasts kind of like lemon.
(レモンみたいな味がする。)
⑥「どうもご親切に(ありがとうございます)」
- kind of~(~みたい/~に似ている)
- This food sample is kind of like real omelet.
(この食品サンプルは本物のオムレツみたいだ。) - It teasts kind of like lemon.
(レモンみたいな味がする。)
- It's kind of you(ご親切にありがとうございます。)
これは、形容詞の"kind"(優しい/親切な/思いやるのある)としての用法です。
特に、
- "It's very kind of you to~"(~してくれて(ご親切に)ありがとうございます。)
という形で使われることが多いです。
なぜこのような意味として使われるのかというと、
- "It's very kind of you to~"→「あなたのto~という行為はとてもkind(親切)です。<直訳>」→「~してくれてご親切に。」→「ありがとうございます。<意訳>」
と考えるとスッキリ理解することができます。
このように、英語的なニュアンスでは「ありがとう」とは若干異なるニュアンスがありますが、結果的に日本語の「ありがとう」と同じシチュエーションで使われることが多いです。
- It's very kind of you to giving me some advice.
(アドバイスをくれて(ご親切に)どうもありがとうございます。) - It's very kind of you to help us.
(私たちに手伝ってくれて(ご親切に)ありがとうございます。)
3."kind of~"の使いすぎには注意が必要
この"kind of~"シリーズの中でも、
- ③「ちょっと」「すこし」「なんか」
- ④「まあね」「そんな感じ」
- ⑤「~みたい」「~に似ている」「~的な」
のような、曖昧さを表す用法として使うときには、頻繁に使いすぎないように注意が必要です。
なぜかというと、"kind of~"を乱用しているとシンプルに、
- 話相手に"話がハッキリしない面倒な人間"だと思われかねないから
です。
たとえば、あなたが普段日本語で話すときに、
- 「なんか~、」「的な~、」「みたいな~、」
ばかり言っている人と話しているとムカつきますよね?
それと同じで、"kind of like~","It's kind of~"というように、英語でも"kind of~"を連発していると相手をイラつかせてしまう可能性が高いです。
特に、ビジネスの場面やフォーマルな場面などでは、曖昧さを表す"kind of~"の使用を避けるのが無難です。
なので、もしも曖昧さを表す使い方をする場合は、日常会話やプライベートな相手との会話に限定して、あまり使いすぎないようにましょう。
4."kinda"に省略されることもある
また、"kind of"は、
- kinda(発音は"カインダ")
という形に略されて、発話・記述されることがしばしばあります。(特にネイティブスピーカーの場合。)
ですが、"kinda"に省略されても特に意味が変わることはありません。
たとえば、以下の2つの例文は、"kind of"か"kinda"かの違いがありますが、意味的には同じです。
- I'm kind of hungry.
(ちょっとお腹が空いてる。) - I'm kinda hungry.
(ちょっとお腹が空いてる。)
どうして"kind of"が"kinda"になるの?
ここで、なぜ"kind of"が"kinda"になるのかを解説しておきます。
一見すると、
- 「"kinda"の"a"ってどこから出てきたの?」
と疑問に思いませんか?
これはなぜかというと、"kind of"→"kinda"は、
- 文字の省略が先にあるのではなく"発音の省略"が先にあるから
です。
すなわち、
- "kind of"を早く発音すると"カインダ"に聞こえる→表記もそれに合わせて"kinda"にした
ということでこの省略の仕方(kinda)が生まれたからということです。
これと同じように、
- "I am"→"I’m"(アイム)
- "want to"→"wanna"(ワナ)
- "going to"→"gonna"(ナガ)
らの省略も、すべて発音の省略が先にあります。(覚えておくと後々便利かもしれません。)
5."sort of"でも同じ意味
また、"kind of"の"kind"の代わりに、
- sort("種類"などの意味を表す名詞)
を用いて、
- sort of
という表現が使われることもあります。
特に、イギリス英語圏ではこの"sort of"という表現がよく使われます。
- Mike is kind of stupid.
(マイクはちょっとお馬鹿だ。) - Mike is sort of stupid.
(マイクはちょっとお馬鹿だ。)
上記の2つの文とも、どっちにしろマイクが"ちょっとお馬鹿"であることには変わりありません。
また、先ほどの"kind of"→"kinda"と同様に、
- "sort of"→"sorta"(ソータ)
と省略されることもあります。(これも"kinda"と同様に発音の省略から生まれたものです。)
6."of a kind"/"of the kind"は全く違う意味
"kind of"と似た表現に、
- of a kind
- of the kind
という表現が存在します。
一見するとそっくりな形ですが、実はこれらは全く違う意味のフレーズです。
これを知らないと、"kind of"と混乱する可能性が高いので、これらのフレーズについてもサラっと解説しておきます。
of a kind
- ~of a kind(名ばかりの~/(これでも)一応の~)
"~of a kind"で、「名ばかりの~」「(これでも)一応の~」というような意味として使われます。
例を挙げると、
- a scientist of a kind(これでも一応の科学者/名ばかりの科学者)
- a member of the Diet of a kind(これでも一応の国会議員/名ばかりの国会議員)
というように、批判的なニュアンスで「あれでも~なんだよ」と言いたいときに使います。
字面だけは"kind of"に似ているかもしれませんが、ご覧の通り"kind of"とは全くかけ離れた意味です。
ただし、「ナバカリノ(名ばかりの~)」「コレデモイチオウノ(これでも一応の~)」というように呪文のように唱えて丸暗記しようとしても、
- 覚えにくい&覚えても思い出すのに時間がかかる&ド忘れしやすい&英語を日本語でしか理解できなくなる
というデメリットしか存在しません。(何度も言いますが。)
なので、"~of a kind"がなぜこのような意味で使われるのかという"英語の感覚"を理解しておきましょう。
その"~of a kind"の"英語の感覚"はズバリ以下の通りです。
- "~of a kind"→「一種(a kind)の~<直訳>」→「(あれでも)一種の~に分類される」→「あれでも一応~だ」→「名ばかりの~」「これでも一応の~」
この感覚(=ニュアンスおよび意味合い)でネイティブは"of a kind"というフレーズを使っています。
- He is a Hollywood Star of a kind.
(彼はあれでも一応ハリウッドスターなんだよ。) - She is a supermodel of a kind.
(彼女はあれでも一応スーパーモデルなんだよ。) - This car is a sports car of a kind, but power of the engine is too low to drive on the freeway.
(この車は一応スポーツカーだが、高速道路を走るにはエンジン出力が低すぎる。)
ただし、侮辱的なニュアンスがあるフレーズなので、使う相手、使う場面には十分注意しましょう。
"one of a kind"
- one of a kind(ユニークな/独自の/比類のない/唯一の/独特な)
ただし、例外的な使い方として、"of a kind"の前に"one"をつけて"one of a kind"という使い方をすると、
- 唯一の/他に類のない/独自の
という意味で使われます。
なぜかというと、
- "one of a kind"→「"a kind"のなかでひとつだけの存在(one)」→「唯一の」「他に類のない」「独自の」
という感覚で、このような意味・ニュアンスとなります。
- This design is truly one of a kind.
(このデザインは本当に独特なものだ。)
"two of a kind"
- two of a kind(似た者同士)
さらに、"one of a kind"の"one"を"two"にした"two of a kind"という表現は「似た者同士」という意味合いで使われます。
なぜ、「似た者同士」という意味で使われるかというと、
- "two of a kind"→「一つの"kind"の"two"<直訳>」→「一つの種類の二人」→「二人は同じ種類」→「似た者同士」
と考えるとスッキリ理解することができます。
- Chuck and Wilson say always the same thing. They are two of a kind.
(チャックとウィルソンはいつも同じことを言っている。彼らは似た者同士だ。)
nothing of the kind
- nothing of the kind(少しもそんなことはない/全く別のもの/かけ離れた)
"nothing of the kind"で、「少しもそんなことない」「全く別の(もの)」「かけ離れた~」という意味を表します。
"It is no such thing"と似たようなニュアンスです。
なぜこのような意味になるのかというと、
- "nothing of the kind"→「そのような"kind"(種類)では全くない(nothing)<直訳>」→「少しも~ではない」「全く別のもの」「かけ離れた~」
と考えると理解しやすいでしょう。
基本的に、相手に「~だよね」「~なの?」などと言われたとき(聞かれたとき)に、日本語で言うところの、
- 「いやいや、ぜんっぜんそんなことないよ」
というように、猛烈に否定したいときに使います。
- I said nothing of the kind.
(私はそんなことは全く言ってない。) - I'll do nothing of the kind.
(私はそのようなことは絶対にしない。)
something of the kind
- something of the kind(そんなこと/そのような類のこと)
"nothing of the kind"の"nothing"を"something"にした、"something of the kind"(そんなこと/そのような類のこと)
という表現も存在します。
これは、
- "something of the kind"→「そのような"kind"のこと(something)」→「そのような類のこと」「そんなこと」
と考えるとわかりやすいです。
- I expected that something of the kind would happen at the beginning of 2020.
(2020年の初めにそのようなことが起きるんじゃないかと私は思っていた。)