「カステラ」
これ、実は英語じゃないんです。
カステラはもともとポルトガル語で、スペインにある地名である「カステリア」(Castilla)のポルトガル語発音、「Castela」からきています。
(ちなみに、「カステラ」はポルトガル語ではお菓子の名前ではないんですね。ポルトガルに「カステラ」というお菓子はないいんです。なぜこのお菓子を「カステラ」と呼ぶのかは謎。)
では「カステラ」を英語で言いたいとき何と言えばいいのでしょうか?
そもそも英語圏文化にこのカステラというお菓子自体がないので、とくにこれと言った英語の名前はありません。
なので、英語で「カステラ」を意味したいときは、
Japanese sponge cake
などと言います。(そのまま「castela」と言っても通じないと思うので。日本に住んでいるネイティブだと通じるかもしれませんが。)
このような、英語っぽいけど意外と英語じゃないカタカナ語は、
実は、「カステラ」以外にも結構あるんです。
もちろんそれをネイティブに言っても通じません。
そこで、今回は「英語っぽいけど英語じゃないカタカナ語」をまとめてみました。
そもそも和製英語って?
よく「和製英語」というのを聞きますよね?
でも、日本語にある「英語じゃないカタカナ語」は、すべてがすべて和製英語というわけではないんです。
和製英語というのは、
日本人が英語をもとにして生み出した、英語には存在しない語
のことを指します。
たとえば、
「ホームパーティー」「スキンシップ」「ベビーカー」なども、
すべて英語には存在しない、日本人が独自に作り上げた和製英語です。
(それぞれ英語では「house party」「physical contact」「baby carriage」)
また、
「レーズンパン」=「raisin(英語)」+「pão(フランス語)」
「カフェテラス」=「café(フランス語)」+「terrasse(フランス語)」
のように、
英語以外の語がベースとなっているのは和製外来語といいます。
それに対して、
先ほどの「カステラ」は、ポルトガル語が何も変形せずにそのままカタカナになったパターンです。
このように外国語がそのままカタカナになったものは、実は、和製英語でも和製外来語でもないんです。
(ポルトガル語では意味が異なるのでその辺は微妙ですが。)
「じゃあ、和製英語でも和製外来語でもないならば何なんだ」と言われたら、
ポルトガル語ですとしか言いようはありませんが(笑)
とにかく、このように「英語が変形して日本オリジナルのカタカナができちゃった」というもののことを和製英語といいます。
英語またはその他外国語をベースに新たに出来たカタカナ日本語のこと。
外国語がそのままカタカナになったものは和製外来語ではない。
では、ここまで和製英語とただの外国語の違いについて長々と語ってきましたが、
いよいよ、「意外と知らない英語じゃないカタカナ語」を見ていきましょう!
英語ではない和製英語、外国語:食べ物編
コッペパン
「coupé(フランス語:切られた)」+「pão(ポルトガル語:パン)」の和製外来語。
英語では「Hot Dog Bun」
シュークリーム
「chou(フランス語:キャベツ)」+「cream(英語:クリーム)」の和製外来語。
英語では「cream puff」
フライドポテト
和製英語。
アメリカ英語では「french fries」、イギリス英語では「chips」
マロン
和製英語。
英語では「chestnut」
レーズンパン
「raisin(英語:レーズン)+「pão(ポルトガル語:パン)」の和製外来語。
英語では「raisin bread」
コック
オランダ語の「kok」。
英語では「chef」
電子レンジ
「レンジ」の語源は英語の「range」からであるが、
「電子レンジ」は「microwave(oven)」
英語ではない和製英語、外国語:乗り物編
アクセル
和製英語。
英語では「Accelerator」
オートバイ
和製英語。
英語では「motorcycle」
ガソリンスタンド
和製英語。
アメリカ英語では「gas station」、イギリス英語では「petrol station」
サイドブレーキ
和製英語。
英語では「hand brake」
バックミラー
和製英語。
英語では「rearview mirror」
英語ではない和製英語、外国語:お仕事・オフィス編
アルバイト
ドイツ語の「arbeit」。
英語では「part-time job」
サラリーマン
和製英語。
英語では「businessman」「office worker」
OL(office lady)
和製英語。
英語では「office worker」
クレーム
英語の「claim」(【V】要求する【N】要求、主張など)が語源であるが、
日本でよく言う「クレーム」は英語で「complaint」
ノートパソコン
和製英語。
英語では「laptop (computer)」
フロント
和製英語。
英語では「reception」
その他、意外と英語ではない和製英語、外国語
アンケート
フランス語の「enquête」。
英語では「survey」「questionnaire」
オーダーメイド
和製英語。
英語では「made-to-order」「custum-made」
キーホルダー
和製英語。
英語では「Keyring」
コンセント
英語の「consent」(【V】同意する【N】同意)が語源であるが、
いわゆる「コンセント」と日本で呼ばれるものは、
アメリカ英語で「outlet」、イギリス英語で「socket」
ジェットコースター
和製英語
英語では「rollar coaster」
ダンボール
和製英語。
英語では「(corrugated) cardboard」
チャック
きんちゃくの「ちゃく」からつけられた日本の商品名が由来。
英語では「zipper」
ビジネスホテル
和製英語。
英語では「budget hotel 」
ペットボトル
和製英語。
ペットボトルの原料である「PolyEthylene Terephthalate」(ポリエチレンテレフタラート)の略式表示の「PET」からきている。
英語では「plastic bottle」
ホッチキス
日本で初めて売られたものがE.H.Hotchkiss(E.H.ホッチキス社)製であったことが由来。
英語では「stapler」
マフラー
旧英語の「muffler」から。
現代で「マフラー」というと、車やバイクの「消音機(サイレンサー)」と解釈される。
現代英語では「scarf」
マンション
和製英語。
英語の「mansion」(豪邸)が由来。
英語では「apartment」「condominium」
メールマガジン
和製英語。
英語では「e-mail newsletter」
モーニングコール
和製英語。
英語では「wake-up call」
いかがでしたでしょうか。
意外と英語のようで英語じゃないものがたくさんあったと思います。
これらのカタカナ語は海外で言っても通じないので注意しましょう。