- 「英会話中に"Go ahead"と言われたけど、それってどういう意味なの?」
- 「TOEICで"Go ahead"って出てきたけど、どんな意味があるの?」
- 「"Go ahead"で相手に"続けて"と言いたいときはどんな使い方をすればいいの?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
「Go ahead」を直訳すると「前に進め」「前方に行け」となります。
しかし、そのままドストレートに「前に歩け」みたいな意味で使われることはあまりありません。
では、「Go ahead」にはどのような意味があるのでしょうか?
また、どんなシチュエーションで使われるのでしょうか?
そこで、この記事を読むことで、
という疑問がスッキリ解決します
1.Go aheadの意味は?定番の5つのパターン
冒頭でも述べましたが、「Go ahead」を直訳すると「前に進め」「前方に行け」となりますが、そのままドストレートに「前に歩け」みたいな意味で使われることはあまりありません。(そのような使い方をされることも全く無いというわけではないのですが少ないです。)
("ahead" は「前へ」「前方へ」という意味がある副詞です。)
実際は、
- "いろんな意味で"「前に進め」「前に進んでいいよ」というシチュエーション
で使わます。
- 「"いろんな意味で"「前に進め」「前に進んでいいよ」ってたとえばどんな感じ?」
具体的には、主に以下の5つのパターンで使われることが多いです。
- 相手に許可を与える(「どうぞ」「いいよ」「OKだよ」)
- 相手に譲るとき(「お先にどうぞ」)
- (中断しないで)「続けてどうぞ」と言うとき
- 「あなたならできるよ」「やってみなよ!」と言うとき
- 皮肉(「勝手にしろよ!」「好きにすれば?」)
文中で「I go ahead」「○○ go ahead」と使われることもありますが、「Go ahead」という命令形ベースで使われることが多いです。
おそらくあなたがTOEICなどの試験問題や英会話教材、映画で聞いたりした「Go ahead」もほとんどがこれに当てはまることでしょう。
ちなみに、使われる頻度としては①→⑥の順に多いです。(特に①②③がよく使われ、試験などにもよく出てきます。)
ではそれぞれの使い方について細かく説明していきましょう。
①相手に許可を与える(「どうぞ」「いいよ」「OKだよ」)
一つ目は、
- 相手に「~していい?」と聞かれたときにYES(=「いいよ」)と答えるとき
に使うパターンです。
なぜ、「Go ahead」が「いいよ」というような許可を与える意味となるかというと、
- 「Go ahead」→「前に(ahead)進め(go)」→「その作業を進めていいよ」→「いいよ」(許可)
と変形してみるとわかります。
相手に「何かしてもいい?」と聞かれたときに、英会話初心者のうちは「OK」「OK」のワンパターンになりがちですが、そこから抜け出したいときにこの「Go ahead」は非常に便利です。
たとえば、実際に以下のような形で使われます。
A:May I ask a question?
(質問していいですか?)
B:Sure, go ahead.
(はい、どうぞ)
②相手に譲るとき(「お先にどうぞ」)
二つ目は、
- 相手に何か物事を譲るようなシチュエーションで「お先にどうぞ」
と言いたいときに使う使い方です。
「After you」と同じような使い方だと考えるとわかりやすいです。
なぜ「Go ahead」が「お先にどうぞ」になるかというと、
- 「Go ahead」→「先に(ahead)goしていいよ」→「先にやっていいですよ」→「お先にどうぞ」
となるわけです。
具体的には、たとえば、以下のようなシチュエーションで使います。
- 一人しか通れない道(場所)で相手に道を譲るとき
- エレベーターから出るときに相手を先に行かせるとき
- お店や会議室などの入口で相手に先に入らせるとき
- バスや電車などの入口で相手を先に入らせるとき
- 相手に先に席に座ってもらうときに「先におかけください」と言うとき
また、譲るとき以外にも、「自分は後からやるから相手が先にやってていいよ」というようなシチュエーションでも使われることがあります。
例えば、
- 「自分は後から行くから先に出発してて」と言いたいとき
- 「レストランで相手の料理が先に到着したときに「先に食べていいよ」と言うとき」
というようなシチュエーションです。
A:Oh,I forgot my smartphone. Can you go ahead? I’ll catch up soon.
(あっ、スマホ忘れたわ。先に行っててくれる?すぐ追いつくから。)
B:OK.
(わかった。)
~レストランなどで相手の料理が先に届いた場合~
Please go ahead and eat.
(先に食べ始めていいですよ。)
③(中断しないで)「続けてどうぞ」と言うとき
三つ目は、
- 相手が何かを中断しているときに「続けてどうぞ」と言う
ときに使う使い方です。
なぜ、「Go ahead」で「続けてどうぞ」になるのかというと、
- 「Go ahead」→「前に(ahead)進めてください(go)」→「続けてください」
と考えるとわかります。
これは感覚的に直訳に近いので結構わかりやすいのではないでしょうか。
具体的にどんな感じで使われるか例を挙げてみましょう。
たとえば、あなたが誰かの話を一生懸命しているときにくしゃみをしてしまったとします。
そうすると、おそらく相手は一旦話を止めて待ってくれました。
そんなときに、相手に「どうぞ(話を)続けて」と言いたいときに、
- Go ahead with your story.(どうぞ話を続けてください)
という感じで使います。
④「あなたならできるよ」「やってみなよ!」と言うとき
「Go ahead」の四つ目の使い方は、
- 「君ならできるよ」「やってみなよ!」と相手の背中を押すとき
です。
- 「Go ahead!」→「前に(ahead)進んで(go)!」→「それをぜひ進めてみなよ!」→「やってみなよ!」「あなたならできるよ!」
と考えると感覚的にわかりやすいです。
Go ahead! You can make it!
(やってみなよ!あなたならできるよ!)
⑤皮肉(「勝手にしろよ!」「好きにすれば?」)
最後のパターンは、
- 皮肉
として使う使い方です。
- 「Go ahead」→「go aheadしてみれば?」→「やってみれば?」(皮肉)
という感覚です。
どういう条件の時に「Go ahead」が皮肉になるのかというと、それはズバリ、
- シチュエーション(文脈と会話の流れとその場の空気)
- イントネーション(怒り口調で言うと皮肉っぽくなる)
で決まります。
日本語の場合でも、全く同じ言葉でも、笑顔で「どうぞご自由に^ ^」と優しく言った場合と、「どうぞご自由に(怒)」と怒り気味に言った場合とで全くニュアンスが異なりますよね?
それと同じ感覚です。
実際に、「Go ahead」が皮肉的な使われ方をする例は、以下のような感じです。
If you want to do it, go ahead! But you will need to take full responsibility for your action no matter what happens.
(やりたいなら、好きにすれば? でも、何が起こってもあなたの自己責任ですけど。)
逆に、自分が皮肉以外の意味で「Go ahead」と言ったときに、皮肉だと勘違いされないよう、会話の流れをしっかり把握して使うように注意しましょう。
2.他にも「Go ahead」こんな使われ方をすることもある
実際に「Go ahead」が使われるのは上記の5つのパターンが多いですが、それ以外にも、文中で「I go ahead」「○○ go ahead」というような使われ方をすることもあります。
具体的には、以下のようなニュアンス(/意味)で使われます。
- 「~し始める」
- 「~が実施される」「~が行われる」
- 「~を(積極的に)する」
「~し始める」
「~し始める」という使い方は、
- 「Go ahead」→「前に(ahead)進める(go)」→「~を進める」→「~し始める」「~をスタートさせる」
というように、直訳から考えても、感覚的に理解しやすいのではないでしょうか。
実際には、
- go ahead with~(~を始める)
という形で使われることが多いです。
We decided to go ahead with plan B.
(我々はプランBで進める(開始する)ことにした。)
また、"Let's"と組み合わせて、
- Let's go ahead!(始めましょう!/始めよう!)
という使われ方をすることも多々あります。
Let's go ahead with the Math lesson.
(では、数学の授業を始めましょう。)
「~が実施される」「~が行われる」
イベントや会議が実施される、行われるというときに、
- ~go ahead(~が実施される)
という形で使われることもあります。
基本は、「happen」「be held」「take place」と同じような使われ方をします。
例)
- The Olympic games will go ahead as planned.
(オリンピックは計画通り実施される。) - The meeting is now going ahead without delay.
(会議は遅れることなく実施されている。)
「~を積極的にする」
「go ahead to V(動詞)~」の型で、
- 「~を積極的にする」
というニュアンスで使われることもあります。
I'll go ahead to book a flight to florida.
(フロリダ行きの航空券を予約するね)
3.名詞のgo-aheadで「許可」を表す
また、これまでのように「Go ahead」という形ではなく、名詞にした「go-ahead」(許可/承諾)という一つのワードとして使われることもあります。
基本はgetかgiveとセットで使う
この「go-ahead」は、基本、
- get the go-ahead(許可を得る)
- give the go-ahead(許可を与える)
の2つの形で使われます。
例えば以下のように使います。
~get the go-aheadの例~
- I got the go-ahead to live alone from my parents.
(両親から一人暮らしの許可をもらった。) - He got the go-ahead to buy a BMW 5 Series from his father.
(彼は父親からBMW5シリーズを購入することの許可を得た。)
~given the go-aheadの例~
- Our CEO give the go-ahead for the new project.
(社長はその新たなプロジェクトへの許可を出した。) - The government has given the go-ahead for the maglev train project between Tokyo and Nagoya.
(政府は東京-名古屋間のリニアモーターカーのプロジェクトに許可を出した。)
また、"go-ahead"の代わりに「permission」「green light」を使って、
- get/give the permission
- get/give the green light
という表現でも同様に「許可を得る」「許可を与える」という意味を表すことができます。
なぜ"go-ahead"が「許可」という意味になるのか
なぜ、"go-ahead"は「許可/承諾」という意味となるのでしょうか。
「Go ahead」は、1.Go aheadの意味は?定番の5つのパターンで紹介した、相手に許可を与えるときの「どうぞ」「いいよ」「OKだよ」というの使い方があったのを覚えていますか?(たとえば、以下のような使い方です。)
A:May I ask a question?
(質問していいですか?)
B:Sure, go ahead.
(はい、どうぞ)
この、「Go ahead」=「どうぞ」「いいよ」「OKだよ」という相手に許可を与えるニュアンスから、名詞として「go-ahead」=「許可/承諾」となるわけです。
4."GA"でgo aheadの略になる
あなたは、ネイティブスピーカーのSNSや、メールのやり取りで、
- "GA"
という表現を見たことがありますか?
この"GA"は一体何なのかというと、「Go ahead」の略です。(Go Aheadの頭文字がとられた形。)
意味的にはここまで紹介してきた「Go ahead」と意味は変わりはありません。
ただし、SNSなどでは、
- 「いいよ」
- 「やれ」(GOサイン的な使い方)
- 「好きにすれば」
などの意味で使われることが多いです。
自分から「GA」を使うことはなくても、相手が使ってきたときにこの"「GA」=「Go ahead」の略"というのを理解できるように一応押さえておきましょう。
ただし、英語の省略表現の「GA」は、「Go ahead」以外にも、
- GA:genetic algorithm(遺伝子アルゴリズム)
- GA:general agent(総代理店)
- GA:general assembly(国連総会・州議会)
などいろいろな略があるので、「GA」=「Go ahead」として意味不明な場合は、会話の流れからどの"GA"なのか判断するようにしましょう。
(普通の日常会話で出てくる"GA"は、ほとんどすべて"Go ahead"の意味だとは思いますが。)